Oracle Databaseのアップグレードでは、旧環境におけるデータベース処理の性能が新環境で劣化しないかどうかのテストが大きな課題となる。ライトウェルは先頃、Oracle RATとOracle Database Cloud Serviceを用いて、このテスト環境を迅速に作って検証を行い、アップグレード作業を効率化できることを確認した。[パブリッククラウド][運用管理効率化][Oracle Cloud][Oracle Enterprise Manager]
住友重機械グループの一員として、さまざまなITソリューションとサービスを提供しているライトウェル。同社は設計/開発からデータ分析と管理、モバイルデバイスを含むソフトウェア開発など、広範な領域でソリューションを展開している他、IT基盤の構築や運用も支援している。このIT基盤構築/運用に関するソリューションを担う同社テクノロジーソリューション部が提供するサービスについて、同部ITシステムサービス 1グループ GLの星野圭司氏は次のように説明する。
「IT基盤の構築や運用といった領域では、ネットワーク機器やサーバ、ミドルウェアなどの基盤製品を組み合わせたインフラの構築、仮想化技術を利用したサーバ統合、プライベートクラウドの構築といったサービスを提供しています。オラクル製品との関わりも深く、住友重機械工業が利用する約30の基幹データベースの大規模アップグレードを実施した事例などがあります」
この事例において、同社はOracle Databaseのアップグレード前後の性能検証を、Oracle Real Application Testing(RAT)を用いて効率的に実施した。Oracle RATに備わる「Database Replay」機能を使って既存環境におけるデータベースアクセスを記録(キャプチャー)し、アップグレード後の環境で再現(リプレイ)することにより、既存環境で行っていた処理(ワークロード)の性能がアップグレード後に劣化しないかどうかを確認したのである。
Oracle RATを用いた新旧ワークロードの性能検証は、効率性と正確性の面で従来の手法を大きく凌いでおり、近年はOracle Databaseアップグレードにおけるベストプラクティスの1つとして、大規模なデータベース環境を持つ企業を中心に浸透しつつある。ライトウェルでも、住友重機械工業の事例で培ったノウハウを基に、顧客企業に対して積極的な活用を呼びかけている。
そんな同社が現在、注目しているのが、Oracle Databaseのパブリッククラウドサービスである「Oracle Database Cloud Service」だ。
「昨今は当社のお客さまの間でもパブリッククラウドの導入機運が高まっています。当然、Oracle Databaseを用いたシステムをパブリッククラウドに移行したいというニーズも予想されますので、その要求に低コストで応えられるサービスとしてOracle Database Cloud Serviceに注目しています」(星野氏)
このOracle Database Cloud Serviceへの移行に伴うOracle Database 12cへのアップグレードにおいても、Oracle RATは有用である。また、オンプレミスでOracle Databaseをアップグレードする際にも、スピーディに環境を構築でき、従量課金で使えるOracle Database Cloud ServiceをOracle RATによる検証環境として使えば、手間と時間、コストを大幅に削減できる。
こうした狙いから今回、同社はある検証作業を実施した。Oracle Database 11g環境で動作するデータベースをOracle Enterprise Manager 13cを用いてOracle Database Cloud Serviceに移行し、このアップグレードに伴うワークロードテストをOracle RATにより行ったのである。
同社はこの検証作業の対象として、社内で実際に使用している既存の業務システムを用いた。また、検証作業そのものを効率化するために、アプリケーションを含む既存システム環境の複製を他社クラウドサービス上に作り、それをOracle Database Cloud Serviceに移行するというプロセスを採用。「他社クラウド上のデータベースのバックアップ環境としてOracle Database Cloud Serviceを使えるか」「他社クラウド上のOracle Database環境とOracle Database Cloud Serviceの間でプラガブルデータベース(PDB)をスムーズに移行させられるか」についても併せて検証した。
なお、同社が検証に利用した環境は下図のようになる。
続いて、ライトウェルが行った検証作業の内容を見ていこう。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年8月12日
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