介護現場のスタッフと利用者の幸せのために――非エンジニア役員の選択とは?現場ファーストを貫くアプリが、世の中にはない

市販の介護ソフトウェアは、現場にとって使い勝手が良くない――この課題にCLOVERは、ローコード開発ツール「Claris FileMaker」での内製化を決断。iPadでの記録から現場での業務支援、複雑な請求、労務管理までこなす理想のアプリを独自開発した。

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» 2026年01月20日 10時00分 公開
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市販の介護ソフトウェアでは、現場の課題を解決できない?

 高齢化社会の進展に伴い、家族中心の介護から社会全体で介護を支える仕組みへ移行することを目指し、介護保険制度が2000年4月に創設された。それから約25年が経過した現在、多くの介護事業所が紙ベースの記録や使いにくいシステムに悩まされている。この課題に対して、理想のサービスを目指してシステム内製化を実践してきたのがCLOVERだ。

 同社が介護事業を始めたのは2011年4月のこと。東京都渋谷区に開設した「デイサービスクローバー千駄ヶ谷」が第1号の事業所だ。

 取締役ファウンダーの野口潔氏は、「介護事業もサービス業である以上、いただいた費用に見合うHappiness(ハピネス)を利用者さまに提供することが私たちに課せられた使命です」と、創業時から一貫して守り続けているビジョンを示す。

野口氏 野口潔氏(CLOVER 取締役ファウンダー)

 この思想は施設作りにも表れている。2023年7月に開設した東京都目黒区の「デイサービスクローバー祐天寺」は、無機質な蛍光灯やジプトーン天井を一切使わず、本物のフローリングに床暖房を完備。利用者に「施設にいる気分」を感じさせない“空間づくり”にこだわった。こうした事業所を現在は東京都心を中心に15カ所展開しており、長野県安曇野にも新たな拠点を構えた。

 そんな事業成長の過程で同社が直面してきたのが、冒頭で述べた「使いにくいシステム」に関する課題だった。

 介護事業を開始した当初、同社は各施設の予約管理に表計算ソフトウェアを使用し、各種記録は紙に手書きで対応していたが、煩雑化する業務処理に限界を感じ、専用システムの導入検討に着手した。既に世の中には多くのソフトウェアベンダーの製品が出回っており、その中から自社の要件を満たすものを選択すればいいだろうと考えたのだ。

 ところが、どれだけ探しても意向に沿った介護ソフトウェアが見つからない。「どの介護ソフトウェアもプロダクトアウトの考え方に基づき請求機能を中心に開発されており、現場での使いやすさは後回しにされていると感じます。保険制度の細かいルールに対応することを優先し、利用頻度の低い機能のボタンが画面にてんこ盛り状態です」と野口氏。

 しかも現場が本当に欲しい機能は欠落していた。「例えば夕食の予約機能もその一つです。保険適用外の自費サービスは別管理する必要がありますが、現場では利用者の来訪予約と夕食予約を合わせて管理できない場合、運用上の二度手間が発生します。来訪のキャンセルを受けた際に、夕食の取り消し処理が漏れて食材ロスにつながることもあります。市販の専用システムでは業務効率化は困難でした」と野口氏は振り返る。

理想のアプリを得るためには内製化するしかない

 「私たちが求めたのは単なる記録のためのアプリではなく、現場のスタッフをアシストし、サービスの質を向上させるアプリです」と強調する野口氏は、理想のアプリを得るためには、内製化しかないと決断して内製化へ舵(かじ)を切った。

 ここでイメージしたのは、iPadで使えるモバイルアプリだ。現場のスタッフが常に手元で使える利便性を考えれば、iPad以上に適したデバイスはない。

 こうしてiOSによるネイティブアプリ開発へのチャレンジを開始した野口氏は、介護事業で役立つアプリ開発のヒントとアイデアを求めて、2012年に椿山荘東京で開催されたFileMakerカンファレンス(現在のClarisカンファレンス)に参加。そこで出会ったローコード開発ツール「Claris FileMaker」(以下、FileMaker)によるローコード開発の仕組みに刺激を受け、「これなら自分でもやりたいことが実現できる」と直感し、導入を決めた。

 その後の野口氏の日々は、まさに「アプリ開発まっしぐら」だ。午前4時に起床して出勤前にFileMakerに没頭する生活を続けること6カ月、ついに同社が理想とする介護サービスアプリ「HappyCare(ハッピーケア)」を完成させるに至った。

HappyCareのトップ画面 HappyCareのトップ画面(提供:CLOVER)《クリックで拡大》

写真付き連絡帳で家族との信頼関係を築く介護アプリHappyCare

 デイサービスの現場に導入されたHappyCareの特徴の一つが、写真付きで印刷出力される利用者の家族あての連絡帳機能だ。

HappyCareの連絡帳機能で利用者の写真を撮る職員 HappyCareの連絡帳機能用に利用者の写真を撮る職員。iPadなら、App Storeから「Claris FileMaker Go」を無料でダウンロードして、Claris FileMaker Serverで共有されたアプリに簡単にアクセスできる

 「従来の連絡帳では、忘れ物の注意など文字通りの連絡事項しか記載されず、事務的で冷たい印象がありました。これに対してHappyCareは、その日の活動内容を写真と共に記録し、ご本人が楽しんでいる表情もご家族に共有します。また、血圧や体温などのバイタルデータやトイレの回数なども介護記録として記載します。これなら単なる『預かり』ではなく、どんな専門的なケアが行われたのかが伝わります。ご家族の皆さまに安心を感じていただくために、利用者本人の写真を掲載する他、あえてアナログな手書きによる『吹き出し』を加えることで、温かみや楽しさも分かりやすく伝えました」(野口氏)

 新卒入社3年目の同社生活相談員(現場スタッフ)である金子彩氏も、この連絡帳機能をフル活用している。「連絡帳が毎日似た内容にならないように、吹き出し部分を特に意識しています。その日の利用者一人一人とのコミュニケーションを思い出しながら、私にしか書けないこと、その方ならではの出来事やエピソードを記すことで、1日を通して利用者やご家族と関わることを心掛けています」と語る。

金子氏 金子彩氏(CLOVER 生活相談員)

介護現場から会計・経理、労務までを一元管理する業務アプリへ進化

 HappyCareは、介護事業の業務効率化に役立つ機能も充実している。野口氏が「同じものを表示できるシステムを見たことがない」と強調するのが、利用者の1カ月単位の来所予定をまとめた稼働一覧表だ。

 「市販システムの中にも、1週間単位や当日の来所予定を一覧表示できる機能を備えたものはありますが、それだけでは翌月のスタッフのシフト作成には役立てられません。アプリの内製化によって、この課題をクリアできました」(野口氏)

 デイサービス施設におけるスタッフのシフト作成は簡単ではなく、複雑な要件を加味しなければならない。例えば入浴サービスに対応する場合は「同性介助」が原則となるため、その条件を押さえた上でスタッフのシフトを組む必要がある。

 加えてHappyCareは、複数の条件を考慮したシフトの検討をさらにやりやすくする仕組みを実装している。入浴や夕食など、選択したサービスメニューごとの稼働一覧表も表示可能だ。「FileMakerだから、このような画面も簡単に作れました」と、野口氏は笑顔を見せる。

 何より特筆すべきは、会計機能の充実ぶりだ。

介護保険請求の複雑さを内製アプリで乗り越える

 介護保険請求は、施設利用者の要介護度区分の変更に伴って請求額が遡及(そきゅう)して変更される場合がある。要するに月次売り上げが、当月中には未確定となるケースがしばしば発生するのだ。こうした介護事業ならではの特殊な会計処理は、一般的な会計パッケージはもとより介護事業の専門システムでさえ対応できておらず、表計算ソフトウェアや手書き台帳による二重管理になりかねない。

 「HappyCareの会計機能は、そういった未確定全案件についてのステータス管理を徹底しており、経理部門を含む関係者はシステムで進捗(しんちょく)状況を容易に把握できます。併せて未収一覧機能を実装することで請求漏れを防止し、未回収売掛金の発生リスクを低減しています」(野口氏)

未収一覧 HappyCareの会計機能における未収一覧機能。国保連合会と利用者の未収があるもののみが表示される。「Pend」マークは、介護区分変更などで請求できていないだけでなく、売り上げが変動する可能性があるものを示す。「¥」マークがグレーのものは未収、青は回収済み、水色は請求中(提供:CLOVER)《クリックで拡大》

 他にも介護事業の経理業務では非常に複雑な対応が求められる。単に国保連合会(国民健康保険団体連合会)に請求書を送るだけでは済まず、ケアマネジャーが提出した計画書と内容が一致しなければ支払いは行われない。ところがケアマネジャーの手続きミスや担当交代など、介護事業者側の不可抗力の事由によって請求が遅れることがある。返戻通知があれば再請求できるが、手続きを翌月に先送りするとこの通知が来ないため、管理者が忘れると請求できなくなってしまう。

 HappyCareは、上記のようなケースにも柔軟に対応できるのだ。経理を担当する田中真奈美氏は、「HappyCareの売り上げ台帳は、国保連合会からの入金や利用者の自己負担分を管理する重要な業務基盤となっています。未収金の状況を色分けして一目で把握できるため、迅速な対応が可能です。他システムでは半日がかりとなる確認作業や手続きを、HappyCareは30分もあれば完了するため本当に助かっています」と語る。

売り掛け処理 HappyCareの会計機能における売り掛け処理画面。売り掛け処理ボタンを押すと、請求金額と入金額が一致しているかどうかが確認できる。請求時効が過ぎた場合など「未収だが回収できない」ときは「強制入金処理」ボタンで未収扱いから外す(提供:CLOVER)《クリックで拡大》

人事・労務管理までカバーする内製アプリの拡張性

 HappyCareのカバー範囲は、人事や労務管理にも広がっている。

 就労支援を担当する鈴木恵里佳氏は、「従業員の入退社手続きや社会保険、雇用保険の申請といった業務も、すべてHappyCareで行っています。銀行口座やマイナンバー、雇用保険番号などの従業員情報を一元管理することで、さまざまな手続きを迅速かつ正確に行えるようになりました。離れた事業所でも入力さえしてもらえたら、メールや郵送のやりとりもなくなったので、業務効率化が進んでいます」と語る。

FileMaker×AIで目指す、介護業務の次なる自動化

 現在もHappyCareのさらなる機能強化や拡張に向けた開発が続いている。目指すのはFileMakerとAI(人工知能)技術を連携させた業務の自動化だ。「各デイサービスの施設で管理者が実施している業務プロセスを詳細に分解・分析し、そのプロセスにAIエージェントを適用することで、初期段階のシフト案を自動的に生成する仕組みを作りたいと考えています。これが実現すれば、スタッフ一人一人の業務生産性をさらに高め、ひいてはサービスのためにかける時間を増やせます」と野口氏は構想を描いている。

 もちろん開発につまずくこともあるが、そんなときに頼りになるのが、FileMakerのユーザーコミュニティーで知り合った仲間たちだ。

 「ユーザーコミュニティーで『実はいま、こんな問題に直面して困っているのだけれど、どうすればいいかな?』と語りかけると、『どれどれ』とすぐに教えに集まってくれる“おせっかいな”仲間が10人以上はいるんですよ」と野口氏は言う。こういったFileMakerならではの技術的なハードルの低さとユーザー間の自発的な相互支援の輪が、非エンジニアにも本格的なシステム開発を可能としているようだ。

 「サービス業としての介護をしっかりやっていく」という創業時からの思いはHappyCareというシステムとして具現化されており、同社はこの事業基盤の上でさらに理想とするサービスの姿を追求していく考えだ。

※営業・勧誘活動を目的としたCLOVERへの連絡は固くお断りいたします。

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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2026年2月19日