Oracleのインストールとデータベース作成:間違いやすいポイントを追え! Bronze DBA講座(1)(2/2 ページ)
Oracleデータベースエンジニアとしての基礎力を証明するORACLE MASTER Bronzeの取得を目指すITエンジニアは多い。本連載で間違いやすいポイントを確認し、合格に近づこう!
Oracle Databaseの使用に必要な環境変数
■例題3
1台のマシンに異なるバージョンのOracleソフトウェアを複数インストールすることを想定した場合、設定する環境変数を1つ選択してください。
a.ORACLE_HOME
b.ORACLE_BASE
c.ORACLE_SID
d.ORACLE_OFA
■例題の範囲をおさらい
Oracleソフトウェアをインストールして使用するには、次の環境変数の設定が必要です。
・ORACLE_BASE
Oracleホームとなるディレクトリのベースとなるディレクトリを指定する環境変数です。OracleソフトウェアとOracleデータベースファイルを配置するために推奨される概念、Optimal Flexible Architecture(OFA)に基づいて決定することが望ましいです(必須ではありません)。
例:/u01/app/oracle
・ORACLE_HOME
Oracleソフトウェアを格納するディレクトリを指定します。OFAに基づき、ORACLE_BASE配下に作成することが推奨されています。
例:/u01/app/oracle/product/10.1.0/db_1
・ORACLE_SID
Oracleデータベースを識別するためのOracleインスタンスの名前を設定します。デフォルトではORCLという名前で設定されますが、変更する場合、英字で始まる8文字以内の名前を設定します。
・NLS_LANG
言語、地域、キャラクタセットを設定します。
・LD_LIBRARY_PATH
UNIX、Linuxのみで使用する共有オブジェクトライブラリを検出するために設定します。ORACLE_HOME/libを含めるようにします。
■正解
b
■解説
1つのOracleソフトウェアをインストールする場合は、ORACLE_HOMEを指定してインストールを行います。
異なるバージョンのOracleソフトウェアを複数インストールする場合、ORACLE_BASEを使用して、すべてのOracleソフトウェアを包括するベースディレクトリを指定することが望ましいです。ベースとなるディレクトリの配下にORACLE_HOMEを作成することで、複数のOracleのバージョン管理やアップグレードが容易になります。
よって、設定する環境変数はbです。
DBCAで設定できる項目
■例題4
Database Configuration Assistant(DBCA)を使用してデータベースを作成する際、設定できない項目を1つ選択してください。
a.初期化パラメータの設定
b.共有サーバモードの指定
c.アーカイブモードの指定
d.リスナーの設定
e.RAWデバイスの指定
■例題の範囲をおさらい
DBCAを使用して設定できる項目には、以下のようなものがあります。
- テンプレートの選択
- データベース名やインスタンス名の設定
- 管理オプション(Enterprise Managerの設定)
- 管理者のパスワード設定
- 記憶域オプションの設定(ファイルシステム、RAWデバイス、自動ストレージ管理)
- データベースファイルの位置
- リカバリ構成の設定(フラッシュリカバリ領域の指定、アーカイブの有効化)
- データベースコンテンツ(サンプルスキーマ、カスタムスクリプト)
- 初期化パラメータの設定(メモリサイズ、ブロックサイズ、キャラクタセット、接続モード)
- 作成オプション(テンプレートの保存、スクリプトの生成)
■正解
d
■解説
選択肢a:初期化パラメータの設定は、DBCAの「初期化パラメータ」ステップにて行えます。このステップでは、SGAやPGAのメモリサイズ、ブロックサイズ(カスタムデータベースのテンプレート使用時のみ設定可)、言語とキャラクタセット、専用サーバモードまたは共有サーバモードを選択できる接続モードのタブが用意されています。
選択肢b:共有サーバモードの指定は、選択肢aと同様、「初期化パラメータ」ステップにて行えます。
選択肢c:アーカイブモードの指定は、「リカバリ構成」ステップにて行えます。アーカイブの有効化チェックボックスをオンにすれば、データベースをアーカイブログモードで作成することができます。
選択肢d:リスナーの設定は、DBCAでは行うことができません。Oracle Net Managerなどのネットワーク構成ツールを使用して設定します。
選択肢e:RAWデバイスの指定は、「記憶域オプション」ステップにて行えます。
よって、設定できない項目はdです。
■まとめ
次の内容をチェックしましょう。
- データベースの整合性制約
- データベース管理者の一般的なタスク
- Oracleに必要な環境変数
- DBCAで設定できる内容
次回は、Oracle Enterprise Manager Database ControlとSQL*PLUSの使用について、間違いやすい点にポイントを絞って説明します。
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