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前回「バックアップ/リカバリ操作の自動管理」に引き続き、バックアップおよびリカバリの管理を学習します。今回は以下の項目を確認します。
■例題1
フラッシュバック機能の名称とその説明として誤っているものを2つ選択してください。
a.トランザクション履歴フラッシュバック:トランザクションによって行われた変更を戻すためのSQL文を表示する
b.フラッシュバックテーブル:削除してしまった表を元に戻す
c.フラッシュバック問い合わせ:特定の時点を指定して問い合わせを実行し、その時点で表示されるはずの問い合わせ結果を表示する
d.行履歴フラッシュバック:指定した2点間で生成されたすべてのバージョンを表示する
e.フラッシュバックドロップ:削除してしまったデータを元に戻す
f.フラッシュバックデータベース:データベース全体を特定の時点に戻す
■例題の範囲をおさらい
参考:「Oracleのデータを復元する」
フラッシュバック機能を使用することで、データベースを過去の特定の時点に戻すことが可能です。フラッシュバック機能には、以下のようなものがあります。
・フラッシュバックテーブル
表のデータを、特定の時点の状態に戻します。
・フラッシュバックドロップ
削除してしまった表を元に戻します。
・フラッシュバック問い合わせ
特定の時点を指定して問い合わせを実行し、その時点で表示されるはずの問い合わせ結果を表示します。
・行履歴フラッシュバック
指定した2点間で生成された、すべてのバージョンのデータを表示します。
・トランザクション履歴フラッシュバック
トランザクションによって行われた変更を戻すためのSQL文を表示します。
・フラッシュバックデータベース
データベース全体を、特定の時点の状態に戻します。
■正解
b、e
■解説
選択肢a:トランザクション履歴フラッシュバックは、トランザクションによって行われた変更を戻すためのSQL文を表示し、データを復元する方法を参照することができます。
選択肢b:フラッシュバックテーブルは、表のデータを過去の状態に戻します。例えば、誤って表から重要なデータを削除してしまった場合などに使用します。削除してしまった表を元に戻す機能は、フラッシュバックドロップです。
選択肢c:フラッシュバック問い合わせは、特定の時点を指定して問い合わせを実行し、その時点で表示されるはずの問い合わせ結果を表示します。例えば、データを変更してコミットした後でも、30分前を指定することで、コミット前の表の値を表示することが可能です。
選択肢d:行履歴フラッシュバックは、指定した2点間で生成されたすべてのバージョン(すべての変更データ)を表示します。過去の2つの時点の間で行われた変更などの操作は、行単位で表示されます。
選択肢e:フラッシュバックドロップは、削除してしまった表を元に戻します。DROP TABLE文で表を削除すると、表は一時的にごみ箱へ格納されます。フラッシュバックドロップを使用することで、ごみ箱に格納された表を復元することができます。削除してしまったデータを元に戻す機能は、フラッシュバックテーブルです。
選択肢f:フラッシュバックデータベースは、データベース全体を特定の時点に戻します。Point-in-Time(不完全)リカバリの代替機能といえます。通常のバックアップからの復元よりも簡単にデータベースを復元することが可能です。
よって、誤っているものはb、eです。
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