Oracleデータベースエンジニアとしての基礎力を証明するORACLE MASTER Bronzeの取得を目指すITエンジニアは多い。本連載で間違いやすいポイントを確認し、合格に近づこう!
前回「Oracleのインストールとデータベース作成」では、データベース管理の概要とOracleソフトウェアのインストール、データベース作成について、間違えやすい部分を中心に学習しました。
今回は、以下の項目について確認します。
■例題1
Oracle Enterprise Manager Database Controlを利用してOracleサーバの管理を行いたいと思います。このとき必要なプロセスを以下の中から2つ選択してください。
a.dbcontrolプロセス
b.pmonプロセス
c.dbconsoleプロセス
d.リスナープロセス
e.バックグラウンドプロセス
■例題の範囲をおさらい
参考:「Oracleデータベースの管理ツールを使う」Oracleデータベースの管理ツールを使う」
Oracle Enterprise Manager Database Controlは、WebブラウザからOracleサーバの管理を行うためのツールです。
WebブラウザからOracleサーバの管理を行う際は、以下のプロセスを経由します。Oracle Enterprise Manager Database Controlにアクセスするには、これらのプロセスが起動されている必要があります。
・dbconsoleプロセス
dbconsoleプロセスは、Database Controlのさまざまな処理を行うプロセスです。
コマンドプロンプトからdbconsoleプロセスのステータスの確認、起動、停止を行うには以下を実行します。
D:\> emctl start dbconsole 起動 D:\> emctl stop dbconsole 停止 D:\> emctl status dbconsole ステータス情報の表示。 起動、停止状態の確認やDatabase Controlを利用するためのURLが 表示され、ポート番号も確認できます |
・リスナープロセス
クライアントからの接続要求を処理するためのプロセスです。クライアントは、リスナープロセスを経由してデータベースにアクセスします。
コマンドプロンプトからリスナープロセスのステータスの確認、起動、停止を行うには以下を実行します。
D:\> lsnrctl start 起動 D:\> lsnrctl stop 停止 D:\> lsnrctl status ステータス情報の表示 |
■正解
c、d
■解説
選択肢a:dbcontrolプロセスというプロセスはありません。
選択肢b:pmonプロセスはバックグラウンドプロセスの1つであり、ユーザープロセスに障害が発生したとき、対応しているサーバプロセスのリソースを解放するものです。
選択肢c:WebブラウザからOracleサーバの管理を行うには、dbconsoleプロセスを起動する必要があります。
選択肢d:WebブラウザからOracleサーバの管理を行うには、リスナープロセスを起動する必要があります。
選択肢e:バックグラウンドプロセスは、Oracleデータベースのシステムを管理するプロセスです。
よって、必要なプロセスはc、dです。
■例題2
Oracle Enterprise Manager Database Controlにデフォルトで管理者ユーザーとして登録されているユーザーはどれでしょうか。次の中からすべて選んでください。
a.SYS
b.SYSOPER
c.SYSMAN
d.SYSDBA
e.SYSTEM
f.DBSNMP
■例題の範囲をおさらい
Oracle Enterprise Manager Database Controlにデフォルトで登録されている管理者ユーザーは以下の3つです。
・SYS データベースの管理ユーザー
・SYSTEM データベースの管理ユーザー
・SYSMAN Oracle Enterprise Manager Database Controlの管理者ユーザー
■正解
a、c、e
■解説
選択肢a:SYSは、データベースの管理ユーザーです。Oracle Enterprise Manager Database Controlにデフォルトで管理者ユーザーとして登録されています。
選択肢b:SYSOPERは、ユーザーではなく管理権限です。
選択肢c:SYSMANは、Oracle Enterprise Manager Database Controlの管理者ユーザーです。Database Controlで提供されているすべての管理機能へのアクセスに必要なロールと権限が自動的に付与されており、Oracle Enterprise Manager Database Controlにスーパーユーザーとしてログインします。
選択肢d:SYSDBAは、ユーザーではなく管理権限です。
選択肢e:SYSTEMは、データベースの管理ユーザーです。Oracle Enterprise Manager Database Controlにデフォルトで管理者ユーザーとして登録されています。
選択肢f:DBSNMPは、Oracle Enterprise Manager Database Controlの内部ユーザーです。コンポーネントであるManagement Agentで使用されます。Oracle Enterprise Manager Database Controlにデフォルトでログインすることはできますが、管理者ユーザーとして登録はされていません。
よって、デフォルトの管理者ユーザーはa、c、eです。
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