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VMware DRSとVMware DPMによる自律運用VMware Infrastructure 3徹底入門 実践編(14)(3/3 ページ)

連載「VMware Infrastructure 3徹底入門」では、VMware Infrastructure 3のコンセプトやアーキテクチャといった、いわば理論的な部分を紹介した。新連載の「VMware Infrastructure 3徹底入門 実践編」では、実際の設計から導入、運用までを紹介する。今回は稼働中の仮想マシンを、複数の物理サーバ間で自動再配置することで、負荷の平準化を実現できる「VMware DRS」、そしてこれを応用して消費電力を削減する「VMware DPM」について解説する

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VMware DPMによる消費電力の削減(続き)

 上記の試験を、VMware DPMを有効化するクラスタ内の各ESXに対して行う。

 どのESXにおいても電源オフ、電源オンが正しく動作していることを確認できたら、実際にVMware DPMを有効化してみよう。再度クラスタの構成画面を起動し、「電源管理」より「自動」を選択する。これによりDPMが有効化される。

図12 VMware DPMを有効化
図12 VMware DPMを有効化

 クラスタの「概要」タブより、電源管理の自動化レベルが「自動」に設定されていることを確認する。

図13 VMware DPMが有効化された
図13 VMware DPMが有効化された

 動作中の仮想マシンの負荷が低い状態が継続すると、VMware DPMにより自動的にVMotionが実行され、一部のESXホストのシャットダウン、電源オフが実行される。

図14 DPMにより自動的にESXがシャットダウン、電源オフされた
図14 DPMにより自動的にESXがシャットダウン、電源オフされた
図15 インベントリ上では停止したESXはグレーアウトして表示される
図15 インベントリ上では停止したESXはグレーアウトして表示される

 仮想マシンの負荷が高まってくると、スタンバイ状態にあった物理マシンに自動的に電源が投入され、ESXが起動する。

図16 負荷状況に応じて自動的に物理マシンがパワーオンされる
図16 負荷状況に応じて自動的に物理マシンがパワーオンされる

 ESXの起動完了後はDRSによりVMotionが自動的に実行され、復帰したESX上に仮想マシンの割り当てが行われる。


 今回は仮想マシンのワークロードに応じて自動的にVMotionを実行し、各ESXの負荷を平準化するVMware DRSについてその動作と構成方法を説明した。また、VMware DRSを拡張し、電源制御をサーバ単位で行うことで低消費電力化を実現するVMware DPMについて紹介した。どちらもシステムの自動運転、自律運用を実現する機能であるが、直観的なユーザインターフェイス操作により非常に容易に利用できるということをご理解いただけたかと思う。

 次回は仮想マシンの高可用性を提供する機能VMware HAについて解説する。


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