連載「VMware Infrastructure 3徹底入門」では、VMware Infrastructure 3のコンセプトやアーキテクチャといった、いわば理論的な部分を紹介した。今回より、新たに「VMware Infrastructure 3徹底入門 実践編」として、実際の設計から導入、運用までを紹介する。今回はVMwareの導入構成の設計時の留意点やサーバの機種選定について説明する
これまでの連載で、仮想マシンの有効性や特徴的な機能、そして仮想化がもたらすさまざまなソリューションについて説明してきた。今回より、実際に VMware Infrastructure 3の導入を行う技術者の方を対象とした、より実践的な内容を取り扱っていきたい。
VMware Infrastructure 3環境の構成を考えるにあたって、その完成形をどうしたいかによって事前に考慮すべき項目も変わってくる。本来であれば、VMware Infrastructure 3のすべての構成要素を網羅的に解説し、その上での包括的な設計ストラテジーを紹介したいところだが、今回は連載記事という形態をとっているため、最初は最小限の設計・導入を行い、個別の機能についてはその解説の中で細部を検討していくこととする。
それではまず VMware Infrastructure 3環境の全体像を見ながら、個々の要素について考慮すべきことを紹介しておこう。
各物理マシン上ではVMware ESXを動作させる。サーバの機種、CPUの種類、メモリ、ネットワーク、ディスク装置などの構成など、ESX を動作させる上で必要な要件を事前に考慮しておく必要がある。
通常 VMware VirtualCenterを同時に導入する。VirtualCenterが動作するプラットフォームの要件、事前に決定しておくべき事項などを考慮する。
VMware Infrastructure 3を動作させるネットワーク環境についても、事前に検討が必要となる。VMware ESXのサービスコンソールと、VMware VirtualCenterはIPネットワーク経由で到達可能でなければならない。このネットワークのことを、本連載では「管理ネットワーク」と呼ぶこととする。また、仮想マシンを動作させるネットワークをどうするかということも考慮する必要がある。管理用ネットワークと同居させることもできるし、別のネットワークに分離することもできる。本稿ではこの仮想マシンが接続するネットワークのことを「仮想マシンネットワーク」と呼ぶこととする。
ストレージはVMware Infrastructure 3を利用する上で非常に重要な構成要素となる。内蔵ディスクを用いるか外付けの共有ディスクアレイ装置を用いるか、また、共有ディスクアレイ装置を利用する場合はどのような接続形式でストレージネットワークを構成するか、といった内容を考慮する必要が出てくる。
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