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危機感抱え、スキルアップに余念がないエンジニア@IT自分戦略研究所 読者調査(1)(2/2 ページ)

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エンジニアが抱える深刻な危機感

 積極的なスキルアップ意識の背景には、仕事状況の悪化と将来への危機感がある。

 仕事の状況については、2008年10月の調査と比較すると「厳しくなった」という回答が目立った。「コスト削減が厳しくなった」は33.0%から54.7%、「業績が悪化した」が31.7%から49.4%、「プロジェクトが減った、規模が小さくなった」は30.8%から44.6%へと、それぞれ大幅に増加した。リーマンショック直後よりも、状況の悪化をより実感しているものと思われる(図4 お仕事の状況)。

 エンジニアとして仕事を続けていくうえで、将来的な不安や危機感を感じることがあるか、という質問については「日常的に不安/危機感を感じている」が35.1%、「ときどき不安/危機感を感じる」が50.2%で、8割以上の回答者が危機感を感じている(図5 将来的な不安/危機感)。

図4 お仕事の状況
図4 お仕事の状況
図5 将来的な不安/危機感
図5 将来的な不安/危機感

ビジネススキルより、まずはテクニカルスキル

 スキルアップしたい分野は、「テクニカルスキル」(63.6%)が最も多かった。回答率が40%を超えたのは、「プロマネスキル」(47.3%)、「論理的思考法」(42.4%)、「コンサルティングスキル」(41.0%)、「ヒアリング/交渉術」(40.3%)、「効率的な仕事術」(40.0%)(図6 スキルアップしたい分野)。

 取得を目指す資格・試験については「IT系:情報処理技術者試験」の人気が最も高く、半数近い回答者が1年以内の取得を目指している。次点は「IT系:ベンダ/非ベンダ」(34.1%)で、「TOEIC600点以上」(18.4%)と大きく差をつけた。ビジネススキルやヒューマンスキルよりも、まずはテクニカルスキルを向上させようとする思惑がうかがえる(図7 取得を目指す資格・認定)。

図6 スキルアップしたい分野
図6 スキルアップしたい分野
図7 取得を目指す資格・認定
図7 取得を目指す資格・認定

 本調査における回答者の平均年齢は37.2歳で、最頻値は30〜34歳である。職務で最も多いのは「システム開発:オープン/Web系」(24.6%)、「プロジェクト・マネージャ」(13.3%)、「システム開発:汎用機系」(13.2%)、「ITコンサルタント」(12.6%)と続く(回答者プロフィール:職務内容)。

回答者プロフィール:年齢分布
回答者プロフィール:年齢分布
回答者プロフィール:職務内容
回答者プロフィール:職務内容

 以上、@IT自分戦略研究所の読者調査を参考に、ITエンジニアのスキルアップに対する意識を考察した。厳しい現状を乗り切るため、「生活費抑制」よりも「勉強」に力を入れるなど、将来への自己投資を積極的に行うエンジニア像が浮き彫りになった。

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