2011年は、スマートフォンやソーシャルアプリ開発エンジニアの採用ニーズが急増した年だった。実際にこの1年で、アプリ開発を経験したエンジニアはどれぐらいいたのだろうか。
@IT自分戦略研究所が2011年11月14日〜22日にかけて行った「ITエンジニア・スキル調査2011」によれば、エンジニアの3割強が、すでにスマートフォンやソーシャルアプリの開発経験がある、または開発中であることが分かった。
スマートフォンアプリやソーシャルアプリを開発した経験があるかを聞いたところ、「実務経験がある」は6.2%、「趣味で開発したことがある」は7.1%、「興味があり、独学中・開発中」は18.7%という結果になった(図1)。回答者のうち32.0%が、何らかの形でアプリ開発を行っていることになる。
「興味はあるが何もしていない」エンジニアは全体の54%と、過半数を占めた。すでに開発に着手している層と合わせると、エンジニアの9割近くがスマートフォン・ソーシャルアプリの開発」に興味を示している。
なお、本データを年齢別に見てみたところ、若手エンジニアほどアプリ開発に着手している割合が高い。
「実務/趣味で開発経験がある」「開発中」という回答は、20歳〜24歳で46.7%、25歳〜29歳で43.8%。ともに4割越えと、20代エンジニアでは平均値を上回る結果が出た。
30歳〜34歳では37.1%、35歳〜39歳で29.5%、40歳〜44歳は30.4%、45歳〜49歳は18.4%と、年齢が上がるほど「実務/趣味で開発経験がある」「開発中」の割合は下がる傾向にある。
2011年はアプリ開発者の需要が急増し、IT企業やユーザー企業は積極的な採用姿勢を見せた。とはいえ、業務経験のあるエンジニアはまだ少数派だ。趣味で開発するエンジニアが大半を占める。
この背景には、技術的な興味もさることながら、自分のアピール材料のために作ってみるという動機があるかもしれない。今年の夏に行った「ITエンジニア・キャリア調査2011」では、エンジニアの半数近くがスマートフォンアプリプロバイダなどへの転職に興味を持っているという結果が出た(図2)。
実際、企業側は「趣味でアプリ開発をしたことがあるエンジニア」を採用したがる傾向にある。これは実務経験者の絶対数が少ないためだが、かといって「未経験歓迎」というスタイルではない。企業は、興味と熱意を持ってアプリ開発をしたという経験、そしてプロダクトそのものを評価し、採用する傾向にある。
「いい話があればアプリ開発者として仕事をしたい」というエンジニアが、アピール材料になるアプリ開発に着手するのは、自然な流れだろう。スマートフォン開発者の採用ニーズは、2012年以降も継続する見込みである。これを機に、アプリ開発をまずはやってみてはいかがだろうか。
1 | Windowsシステム管理 | 46.9% |
---|---|---|
2 | データベース構築/管理 | 43.3% |
3 | Web系開発 | 40.2% |
4 | クライアント/サーバ系開発 | 38.5% |
5 | Visual Basic | 38.0% |
6 | Java | 37.1% |
7 | C/C++ | 33.6% |
8 | JavaScript | 33.3% |
9 | ネットワーク構築/管理 | 33.3% |
10 | オブジェクト指向分析/設計 | 32.5% |
表1 現在保有しているテクニカル・スキル(複数回答) |
1 | セキュリティ設計/実装/運用 | 41.5% |
---|---|---|
2 | ネットワーク構築/管理 | 38.7% |
3 | Linuxシステム管理 | 34.9% |
4 | データベース構築/管理 | 33.6% |
5 | Ajax | 30.9% |
6 | Ruby/Ruby on Rails | 30.2% |
7 | Web系開発 | 28.0% |
8 | Java | 26.7% |
9 | JavaScript | 25.1% |
10 | オブジェクト指向分析/設計 | 24.4% |
表2 今後、身に付けたいテクニカル・スキル(複数回答) |
同調査は、2011年11月14日〜22日にかけて、Webアンケート方式で実施。550件の回答を得た。
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