Subversionで簡単・確実にファイルを構成管理:エンジニアがお薦めする 現場で使えるツール10選(4)(2/5 ページ)
ITエンジニアの業務効率を改善するために、現役エンジニアが実際の現場で利用している便利ツールを、10回にわたり紹介します。
構成管理の実現には、ルール作りと運用徹底が不可欠
構成管理を実現するためには、管理のための手法やルールを確立し、開発チームに運用を徹底させることが大切ですが、効率的かつ正確に実現するためには、構成管理ツール(ここではSubversion)が必要です。
ここで重要なのは、ツールを導入するだけで管理を実現できるということではなく、管理のルール作りと運用ルールの徹底が実現して初めてSubversionの機能が生かされ、管理を実現できるということです。
昨日作ったファイル、残っている?
Subversionのようなソフトがなかったときには、ドキュメントをどのように管理していたと思いますか?
設計書でもソースコードでも同じですが、昨日作ったファイル、変更した後のファイルが分かるように、設計書であれば日ごとに分かれているフォルダに整理したり、日付の入ったファイル名を付けたりとさまざまな管理手法を取っていたと思います。
しかし「バージョン管理をしていますか?」という問い掛けには、「何となくバージョン管理を行っていた」「いざというときに、うまく復元できない」「自分のPCではやっていない」という話をよく聞きます。そもそも、なぜバージョン管理が必要なのかを考えてみましょう。
ソースコードも設計書も同じ成果物です
開発者の多くは、下記のような場面でバージョンを管理したいと思います。
- バグを修正した日ごとのソースコード
- チームで作成している共通モジュールのソースコード
- お客さんの組織や事業所ごとに異なる、同じようなシステム
さらに、皆さんの普段の仕事では、ソースコード以外でもバージョン管理を活用したい場面があるでしょう。
- お客さんとレビューした後の設計書
- チームで同時に作成している共通モジュールの設計書
- お客さんごとに異なる、同じような設計書
上記のようなプロジェクトで利用するドキュメントファイルなどの場合です。ここでは設計書と記載していますが、営業用資料でも同様のことがいえます。
こんなことソースコードでは当たり前?!
ソフトウェア開発を行っている多くの人にとって、構成管理といえば、「開発チームがソースコードを管理するためのもの」というイメージがあると思います。
皆さんの周りではどうでしょうか? 管理者や親会社が、ソフトウェア開発のソースコード管理のためにマイクロソフトのVSS、Subversion、CVSなどの構成管理ソフトウェアを導入しており、よく分からないまま、いわれたとおり利用している場合がありませんか。そういった方々の中には、構成管理の導入を難しいと思っている方が多いと思いますが、意外と難しくありません。本記事では、自分自身のパソコンにSubversionを簡単に導入する方法も解説します。
ただ、Subversionにはクライアントツールは付属していないため、DOSプロンプトでコマンドを入力するしかないのですが、有志によって「TortoiseSVN」というSubversionを簡単に扱えるようにするツールが公開されています。TortoiseSVNも併せて導入の説明をしたいと思います。
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