Tomcat 7対応
Servlet 3.0に対応するアプリケーションサーバとして、Tomcat 7が追加されました。Tomcat 7自身は正式リリース前なので、本稿執筆時点では、こちらからダウンロードする必要があります。
JAXBへの対応
Java SE 6からXMLとJavaオブジェクトのマッピングを行うJAXBが標準でサポートされるようになりました。Heliosでも一足遅れてJAXBのサポートが追加されました。XMLスキーマ(XSDファイル)を右クリックして[Generate]→[JAXB Classes]でJAXBで利用するクラスを生成できます(図6)。
JavaBeansからも、そのJavaBeansを扱うXMLスキーマを生成できます。
分散バージョン管理システム「Git」への対応
GitやMercurialなどの分散バージョン管理システムが最近急速に広まりつつあります(分散バージョン管理システムについては、連載第3回の「分散バージョン管理Git/Mercurial/Bazaar徹底比較」をご覧ください)。
Heliosでサポートする標準のバージョン管理システムは相変わらずCVSですが、Heliosに標準で設定されてあるeclipse.org上のHeliosのアップデートサイトから、GitをサポートするEclipseプラグイン「EGit」が利用できるようになりました。EGitを利用すれば、Gitの基本的な操作をEclipse上から行えます。
Eclipse.orgでは、すでにGitリポジトリが提供されており、いくつかのプラグインはすでにGit上で開発が勧められています(図8)。
なお、すべての開発がGit上で行われているわけではなく、いままで利用されているCVSやSubversionも併用して利用されています。
SubversionもSubversiveによって、以前と同様にサポートされているので、追加でインストールすることによりSubversionを利用することも可能です。
コラム 「Eclipse 3.6 Heliosのメニューの日本語化」
Eclipseの本家サイト「Eclipse.org」で配布しているEclipseパッケージは、言語は英語のみのサポートです。英語のみのサポートといっても、ファイルの編集などで日本語を利用しても問題はありませんが、メニューなどのメッセージはすべて英語です。
そこで、「MergeDoc」プロジェクトで提供されている「Pleiades」を利用すると、3.4以前と同様にEclipseのメッセージを日本語化できます。Pleiadesの詳細は、MergeDoc Projectのサイトを、利用方法については、「すぐに日本語で使えるEclipse 3.4大特集(前編)」などをご覧ください。
そして、次世代Eclipse「e4」へ……
Heliosは、開発者の近年の状況を反映した手堅いリリースとなっています。特にLinuxやGitなどを利用していて、いままでのEclipseに不満がある人は、ぜひとも使ってみてください。
現在、Eclipseプロジェクトでは、次世代のEclipseとして「e4」が開発されています。
e4では、「XWT(XML Windowing Toolkit)」によるXMLベースのUIコンポーネントの定義とCSSによるUIの装飾、「SWT(Standard Widget Toolkit) Browser Edition」による、Webブラウザ+Flash Player上でのSWTアプリケーションの表示などが実装される予定です。
e4も近々リリースされる予定なので、楽しみですね。
- exe/dmgしか知らない人のためのインストール/パッケージ管理/ビルドの基礎知識
- これでGitも怖くない! GUIでのバージョン管理が無料でできるSourceTreeの7つの特徴とは
- DevOps時代の開発者のためのOSSクラウド運用管理ツール5選まとめ
- GitHubはリアルRPG? そして、ソーシャルコーディングへ
- ついにメジャーバージョンUP! Eclipse 4.2の新機能7選
- いまアツいアジャイルプロジェクト管理ツール9選+Pivotal Tracker入門
- Git管理の神ツール「Gitolite」なら、ここまでできる!
- Java開発者が知らないと損するPaaSクラウド8選
- Eclipse 3.7 Indigo公開、e4、Orion、そしてクラウドへ
- AWSの自由自在なPaaS「Elastic Beanstalk」とは
- Ant使いでもMavenのライブラリ管理ができるIvyとは
- 「Hudson」改め「Jenkins」で始めるCI(継続的インテグレーション)入門
- Bazaarでござ〜る。猿でもできる分散バージョン管理“超”入門
- Review Boardならコードレビューを効率良くできる!
- Team Foundation ServerでJava開発は大丈夫か?
- コード探知機「Sonar」でプロジェクトの深海を探れ!
- 単体テストを“神速”化するQuick JUnitとMockito
- Java EE 6/Tomcat 7/Gitに対応したEclipse 3.6
- AzureのストレージをJavaで扱えるWindowsAzure4j
- 究極の問題解析ツール、逆コンパイラJD-Eclipseとは
- AWS ToolkitでTomcatクラスタをAmazon EC2上に楽々構築
- DB設計の神ツール「ERMaster」なら、ここまでできる
- Webのバグを燃やしまくるFirebugと、そのアドオン7選
- Googlerも使っているIntelliJ IDEAのOSS版を試す
- JUnit/FindBugs/PMDなどを総観できるQALab/Limy
- ブラウザを選ばずWebテストを自動化するSelenium
- Eclipse 3.5 Galileoの「実に面白い」新機能とは
- App Engine/AptanaなどJavaクラウド4つを徹底比較
- Aptanaなら開発環境とクラウドの連携が超お手軽!
- 分散バージョン管理Git/Mercurial/Bazaar徹底比較
- SubversionとTracでファイル管理の“迷宮”から脱出
- Trac Lightningで始めるチケット式開発「電撃」入門
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- “全部入り”のEclipseで学ぶ統合開発環境の常識
企業システムの常識をJBossで身につける(2) - Eclipse対抗馬の本命!? NetBeansとは?
- 開発ツールとJSFのよい関係とは?
J2EE Watch (5)