Apache CloudStack開発用クラウド環境の構築:CloudStackによるプライベートクラウド構築術(10)(3/3 ページ)
Apache CloudStackの開発に参加してみる? CloudStackそのものへの理解を深める情報源も紹介していきます。
Apache CloudStackのソースコードを取得する
Apache CloudStack 4.0.1のソースコードは下記Webサイトからダウンロードできます。
まずは、4.0.1のソースコードをダウンロードして、ソースコードを眺めることから始めてみましょう。
ここでは、apache-cloudstack-4.0.1-incubating-src.tar.bz2をダウンロードして展開します。
Tarballを展開すると、いくつかのディレクトリがあることが分かります。それぞれのディレクトリの意味は下記表の通りです。
ディレクトリ | 説明 |
---|---|
Agent | リモートからリソースを操作するためのコンテナ |
Api | リソースのAPIやプラグイン、Rest API |
awsapi | AWS互換 |
client | Tomcatの設定 |
core | リソースをホールドするために使われる。 |
plugins | 異なるプラグイン、 |
server | データベースへのアクセス、ビジネスロジック、オーケストレーション |
Ui | Web UI |
usage | 利用レコードを生成するためのコード |
Utils | CloudStackとは直接関係ないユーティリティのコード |
Apache CloudStackのソースコードはASFがホストするGitリポジトリで管理されています。ASFのプロジェクトは、共通して、通常下記のようなGitリポジトリで管理されています。
http://git-wip-us.apache.org/repos/asf/プロジェクトのリポジトリ名.git
Apache CloudStackの場合、インキュベーション段階ですのでプロジェクトの「リポジトリ名.git」の部分は、「incubator-cloudstack.git」となっています。
ソースコードを入手するには、Cygwinを立ち上げ、gitコマンドを使って最新ソースコードをリポジトリからダウンロードします。Cygwin Terminalから次のコマンドを実行します。
git clone https://git-wip-us.apache.org/repos/asf/incubator-cloudstack.git
Apache CloudStackのソースコードを参照する場合は、あらかじめGitそのものへの理解が必要です。
分からない場合はid:cz75hiro氏の「GitExtensionで学ぶgit入門」。 to_ueda氏によるスライド「15分でわかるGit入門」、ヌーラボの解説「サルでもわかるGit入門」などの参考資料を参照してください。初心者でWindowsユーザーの場合なら、GitExtensionというツールを使うと分かりやすいでしょう。
ここまでで、開発環境の下準備が用意できました。次回は、この環境を使ってソースコードの変更や、Apache CloudStackのバグ・トラッキング・システムである「JIRA」を使ったバグ修正の流れ、ビルドの手順などを紹介していきます。
筆者紹介
執筆者
クリエーションライン株式会社
本連載執筆は、以下の方々の共同執筆となっております。
共同執筆者
シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 マーケティング本部 北瀬公彦
クリエーションライン株式会社 シニアエンジニア 輿水万友美
一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) 荒井康宏
- CloudStackベースのサービスを活用したハイブリッド構成を検討する
- Apache CloudStackの開発プロセスを知ろう
- Apache CloudStack開発用クラウド環境の構築
- 技術を深めるには開発が一番? Apache CloudStack開発のいまを知ろう
- ChefのKnifeでCloudStackを操作する方法
- CloudStackとネットワーク機器の連携
- CloudStack 3.0の新機能
- CloudStackをAPIで操作する
- CloudStackを使いこなすための設定
- CloudStackのインストールからサーバ起動まで
- CloudStack 採用、IDCフロンティアの「NOAH」を試す
- CloudStackを構成するコンポーネントを探る
- クラウド構築で注目が集まるCloudStackとは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.