CloudStackのインストールからサーバ起動までCloudStackによるプライベートクラウド構築術(3)(1/3 ページ)

CloudStackは、オープンソースベースのIaaSクラウド構築・運用ソフトウェア。使いやすく、機能が充実していることなどから、大規模なデータセンター事業者や組織での導入が相次いでいる。本連載では、このソフトウェアをプライベートクラウド構築に活用する方法を紹介する

» 2011年10月20日 00時00分 公開
[荒井 康宏, 飯塚 雅之一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA)/クリエーションライン株式会社]

 今回はいよいよ実際にCloudStackをインストールし、小規模なプライベートクラウドを構築する手順について説明します。

 また、実際にCloudStackのWebインターフェイスに触れ、インスタンスの作成からWebサーバの立ち上げまでを行います。

前提条件

 物理マシンは Management Server、Storage Server、Computing Nodeの3台を準備しておきます。

 Management Serverには Database Serverのインストールも行い、Storage Serverでは、Primary Storageと Secondary Storageの両方の領域を提供します。

 Management Server と Storage ServerにはCentOS 5.5をインストールしておきます。Computing NodeにはXenServer 5.6 SP2をインストールしておきます。

 ネットワーク構成としては、CloudStack環境で使用するネットワークは「192.168.1.0/24」、ゲートウェイのIPアドレスは「192.168.1.254」とします。

 各物理マシンには、下記のように固定のIPアドレスを設定しておきます。

Management Server : 192.168.1.2
Storage Server : 192.168.1.3
Computing Node : 192.168.1.4

 これとは別に、Webブラウザが利用可能な PCも1台用意しておくと便利です。

今回のインストールにおけるサーバ構成 今回のインストールにおけるサーバ構成

インストールの流れ

 CloudStackインストールの、大まかな流れは下記のようになります。

1. Storage ServerにNFSの設定を行う

2. Management ServerにCloudStackバイナリ、および各種プラグインをインストール

3. Secondary StorageにシステムVMのテンプレートをダウンロード

4. Management Serverの Webインターフェイスで、ZoneやPodなどの設定を行う

Storage ServerのNFS設定

 まずは、Storage ServerにNFSを構築します。Storage Server (192.168.1.3) にログインします。

 NFS用に exportディレクトリを作成し、Primary Storage用と Secondary Storage用にサブディレクトリを作成します。

# mkdir /export
# mkdir /export/primary
# mkdir /export/secondary

 作成した exportディレクトリを下記のように NFSディレクトリとして登録します。

# echo '/export *(rw,async,no_root_squash)' >> /etc/exports

 次にNFSサーバの設定を行います。

# vi /etc/sysconfig/nfs

図1 NFSサーバの設定 図1 NFSサーバの設定

 ファイル内の下記のコメント(先頭の#)を削除し、設定を有効化します。

LOCKD_TCPPORT=32803
LOCKD_UDPPORT=32769
MOUNTD_PORT=892
RQUOTAD_PORT=875
STATD_PORT=662
STATD_OUTGOING_PORT=2020

 ファイアウォール(iptables)の設定を変更し、NFSで使用するポートの通信を許可します。

# vi /etc/sysconfig/iptables

 INPUTリストの先頭に下記を入力します。

-A INPUT -m state --state NEW -p udp --dport 111 -j ACCEPT
-A INPUT -m state --state NEW -p tcp --dport 111 -j ACCEPT
-A INPUT -m state --state NEW -p tcp --dport 2049 -j ACCEPT
-A INPUT -m state --state NEW -p tcp --dport 32803 -j ACCEPT
-A INPUT -m state --state NEW -p udp --dport 32769 -j ACCEPT
-A INPUT -m state --state NEW -p tcp --dport 892 -j ACCEPT
-A INPUT -m state --state NEW -p udp --dport 892 -j ACCEPT
-A INPUT -m state --state NEW -p tcp --dport 875 -j ACCEPT
-A INPUT -m state --state NEW -p udp --dport 875 -j ACCEPT
-A INPUT -m state --state NEW -p tcp --dport 662 -j ACCEPT
-A INPUT -m state --state NEW -p udp --dport 662 -j ACCEPT

 iptablesを再起動し、設定を反映します。

# service iptables restart

 NFSサーバを起動します。

# service nfs start

 NFSサーバの自動起動設定を行います。

# chkconfig nfs on

 Storage Serverの設定は以上です。

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