オラクル、Oracle 12cにインメモリとカラム型データベースの追加機能を発表:OOW 2013速報(2/2 ページ)
米国で開催中のOOW 2013では、12cのインメモリオプションや“ビッグメモリマシン”「Oracle M6-32」、DBのトランザクションログ管理アプライアンスやそのクラウド展開などの発表が相次いだ。
SQLもアプリケーションもそのまま使える
インメモリオプションを使うには、どれだけメモリを使うか、どのパーティション、もしくはテーブルをメモリ上に載せるか、これだけだ。
そして不要になったインデックスを削除する。これでOLTPが速くなる。
SQLもアプリケーションも変える必要がなく、データのマイグレーションも発生しない。Oracle Database 12cのマルチテナンシーにも対応しておりクラウド環境への対応も十分だ。
いままでと同じデータベースで同じ信頼性やセキュリティで、クエリが何桁も、OLTPが何倍も速くなるのだ。
32Tバイトメモリの「Oracle M6-32」発表
このインメモリなカラムストアに理想的なマシンを合わせてリリースする。「Oracle M6-32」だ。ビッグメモリマシンと呼ぼう。
32TB DRAM、M5の倍のコアを積んだ新しいSPARC M6チップ。M5と同じシャーシだ。
データベースのバックアップ、リカバリ機器を発表
最後の発表は「Oracle Database Backup, Logging, Recovery Appliance」だ。これが本当に製品の名前なんだよ(笑)。
Oracle Database Backup, Logging, Recovery Applianceは、データベースをバックアップし、トランザクションログを保存しておくことで、データベースのリカバリを行える。
何千ものデータベースが稼働していたとして、トランザクションログをアプライアンスに送る。万が一稼働中のデータベースが失われたときには、バックアップとともにログがあるため、最後のトランザクションの時点までデータを失うことはない。
Oracle Public Cloudでサービスとしても提供
このバックアップアプライアンスは稼働中のデータベースと高速なネットワークで接続する必要はない。つまり、クラウドに置いていてもいい。
もちろん数万ものデータベースにも対応するスケーラビリティがあり、x86サーバのデータベースでも、ExadataでもIBM pシリーズでも、全てのOracleデータベースに対応し、テープにアーカイブすることもできる。
これをOracle Public Cloudでサービスとしても提供する。世界中のどこにあるデータベースでも、バックアップ、ロギング、リカバリーできるのだ。オンサイトでも、クラウドでも、どちらを選択することもできる。
汎用サーバと目的特化型サーバの組み合わせ
数年前から、Exadataを始めとする目的特化型のマシンを皆さんは目にしてきた。
ハードウェアとソフトウェアを組み合わせることにより、汎用型のサーバよりも、より高速で、信頼性があり、しかも大事な点としてより安く、データベース処理を実現できる。
クラウドのデータセンターでコアとなってきたサーバは、Intelサーバ、あるいはコモディティサーバなどと呼ばれ、そこに仮想化とLinux OSを導入し、高速なイーサネットで接続したものだ。
ここに、データベースの性能、コスト、バックアップといった目的特化型のマシンを組み合わせていく。これがオラクルの考える将来のデータセンターの姿だ。
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