PDCAサイクルは、自分探しや就活にも生かせ:まだ君は間に合う! 現役エンジニアに聞く、学生のときにやっておくべきこと(2)(2/2 ページ)
本連載では、IT企業の最前線で活躍するトップエンジニアに、学生時代に行った就職活動の内容や、これから就職活動を行う学生へのアドバイスを聞いていきます。今回は、起業の経験を教訓にエンジニアへの道を志し、現在は企画業務も兼務してサービスのライフサイクル全体の効率化に取り組むビズリーチの栗田祐志氏に、就活生に向けたメッセージを伺いました。
やりたいと思ったことは即座にやってみよう
編集部 就職活動の際にもっとこうしておけばよかったと思うことはありますか?
栗田氏 もっと早い時期から就職活動に動き始めた方がよかった。特に、情報の取り方などはもっと早めに調べておけばよかったと思います。
編集部 就職活動はどの時期から始めるのが望ましいとお考えですか?
栗田氏 今だから言えることですが、そもそも就職活動は、やりたいことをメインに据えて行うべきだと思います。それで、やりたいことを実現するために必要だと判断すれば、別に1年生からでも、2年生からでも早くから動き出せばいいのではないでしょうか。それこそ高校生の段階から始めてもおかしくないと思いますね。
編集部 ご自身は、学生時代にどのようなことを行っていましたか?
栗田氏 とにかく、やりたいと思ったことは即座にやってみるようにしていました。大学に入った当初は、学校の先生になりたいと思っていましたので、小中高の生徒全てを相手にする塾の講師をはじめ、毛色の違ういろいろな教育関連のアルバイトを経験しました。実際にやってみなければ、それが本当にやりたいことなのかも分かりませんし、それを繰り返すことによって、本当に自分のやりたいことが分かってくるのだと思います。
編集部 「やりたいと思ったことを実践する」のは言うのは簡単ですが、なかなかハードルが高く、勇気も必要になりますね。
栗田氏 実は、私も大学に入るまでは保守的な人間で、高校は進学校。周りが東大や京大に行くから僕も行くという感覚で進路を決めるというように頭を使わない人間だったんです。それが、大学に入ったタイミングで、ためらう気持を押さえ込んで、やりたいことを一回やってみたんです。すると、それほど難しいことではないことが分かって、その後は抵抗なくやれるようになりました。
今思えば、大学に入学して最初の夏休みに自分で貯めたお金を使って一人で海外旅行をしたことがきっかけになったのかもしれません。
PDCAサイクルのスキルを業務に生かす
編集部 エンジニアの道を選んでビズリーチに入社されたわけですが、仕事が苦になることはありませんか?
栗田氏 プログラミングの仕事は自分の適正に合っていると思いますので、楽しいですね。もともと私は学生時代に化学を専攻し、化学実験の際に、仮説を立て、その仮説を証明するための実験方法を考え、実験の結果を検証し、考察に戻るというプロセスを繰り返していました。
プログラミングも同じで、設計してコードを書いて、うまく動かなかなければ、検証して修正を加えてまた動かすというPDCAを短いサイクルで回す作業だと言えます。これはもともと私が得意としていることですので、むしろ楽しみながら日々の仕事をしています。
編集部 これは、先ほどのお話にあった学生の時にやりたいことを見つけ出すプロセスにも通ずるところがありますね。
栗田氏 繰り返すという意味では、同じことかもしれませんね。
編集部 そうしたスキルは企画業務にも役立っているのでしょうか?
栗田氏 企画の仕事も、何らかの仮説があってサービスを立案して提供し、その結果を検証して改善を行うことに違いはありません。プログラミングよりもPDCAのサイクルは長いですが、学生時代に身に付けた仮説検証のスキルはもちろん大いに役に立っています。
編集部 ご自身の今後のチャレンジについてお聞かせください。
栗田氏 現在、エンジニア職と企画職を兼務していますが、今後は、プロダクトマネージャーを目指して、その道を突き詰めていきたいと考えています。プロダクトマネージャーの仕事はプロダクト作りを通じて一つの概念を作り上げていくことです。それができる人間になりたいと思っています。
編集部 最後に、就職活動をする学生に対してあらためてメッセージをお願いします。
栗田氏 自分がやりたいことを見つけるのは決して簡単なことではありませんが、少なくともそれを探す努力はしていただきたいと思います。その上で、やりたいことを実現するための手段として、就職や起業も含め、進むべき方向を模索していただきたいですね。
編集部 ありがとうございました。
次回も、トップエンジニアに就活のアドバイスを聞く
本連載では、今後もIT企業の最前線で活躍するトップエンジニアに、学生時代に行った就職活動の内容や、これから就職活動を行う学生へのアドバイスを聞いていくので、楽しみにしていてほしい。
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