新卒で子会社立ち上げを任されたエンジニアが明かす、就活の極意とは:まだ君は間に合う! 現役エンジニアに聞く、学生のときにやっておくべきこと(1)(1/2 ページ)
本連載では、IT企業の最前線で活躍するトップエンジニアに、学生時代に行った就職活動の内容や、これから就職活動を行う学生へのアドバイスを聞いていきます。今回は、学生時代に開発したアプリケーションが内定先のサイバーエージェントの藤田社長に認められ、子会社シロクの事業立ち上げを任された片岡直之氏に、就活生に向けたメッセージを伺いました。
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本連載「まだ君は間に合う! 現役エンジニアに聞く、学生のときにやっておくべきこと」では、IT企業の最前線で活躍するトップエンジニアに、学生時代に行った就職活動の内容や、これから就職活動を行う学生へのアドバイスを聞いていきます。
IT企業の最前線で活躍するトップエンジニアは学生時代にどのような就職活動を行っていたのであろうか。今回は、学生時代に開発したアプリケーションが内定先のサイバーエージェントの藤田社長に認められ、子会社シロクの事業立ち上げを任された片岡直之氏に、就活生に向けたメッセージを伺った。
内定期間中にSNSアプリを開発し公開
編集部 現在、どのようなボジションでどのような業務を任されていますか?
片岡氏 サイバーエージェントに入社してすぐに子会社のシロクを立ち上げ、現在はその取締役として経営に携わりながら、CTOとして、「Growth Push」を中心としたアプリ開発者向けツールやコンシューマー向けサービスの開発を統括しています。シロクを立ち上げて、もうすぐ4年になります。
編集部 どのような経緯でシロクを立ち上げることになったのでしょうか?
片岡氏 ちょうど就職活動が終了した2011年の4月頃に、4人の仲間と相談して、学生のうちに何か新しいアプリを1つ作って公開してみようということになりました。そこで、ゴールデンウイークを使って箱根に合宿に行き、2、3日旅館にこもっていろいろアイデアを出していくうちに、カメラSNSアプリを考えつきました。そこから半年くらいの期間をかけてその開発に取り組みました。
アプリが完成し、「My365」というアプリ名でリリースしたのは、ちょうど内定式が終了したタイミングの10月のことでした。特にプロモーションもしなかったのですが、リリースして5日くらいでダウンロード数が3万を超え、順調にスタートを切ることができました。その時に、内定先のサイバーエージェントの藤田社長から、「アプリのサービスを事業化して子会社にしないか」という打診があり、メンバーみんなで話し合って受けることを決めました。
編集部 子会社として事業化するのにためらいはありませんでしたか?
片岡氏 サービスの提供もうまくいっていましたので、自分たちだけでもサービスを続けていきたいと考えていました。一方で、サービスの規模が大きくなってくると、資金的にも、組織的にも自分たちだけでは事業を支えられなくなるのではないかという心配もありましたので、ためらうことはありませんでした。
IT業界のマイナスイメージを克服
編集部 就職活動ではどのようにして情報収集を行いましたか? 就活サービスや口コミサイトは活用しましたか?
片岡氏 就活サービスも口コミサイトも情報収集のために活用はしましたが、情報源として主に活用したのは、それぞれの企業の採用ページやIR(投資家向け情報)ページです。そこに掲載されている決算資料の利益率などを参考に、経営状況や将来性を考えて応募企業を決めました。応募のエントリもそれぞれの企業のサイトから直接行いました。
編集部 実際にどのような企業を候補として検討しましたか?
片岡氏 自分の手で何かを作り上げる仕事に就きたかったことや、昔からプログラミングが好きだったことから、インターネット系の企業を候補にしました。また、大学で電気系のコースを専攻していましたので、電機メーカーも候補に入れました。最終的には、サイバーエージェントを含めて、インターネット系の事業会社3社に応募し、サイバーエージェントの内定を得ました。
編集部 IT業界に対してはあまり良いイメージは持っていなかったとお聞きしましたが。
片岡氏 中学生の頃からプログラミングを始めて、かなりハマった時期もあったのですが、父親から「(父親の)学生時代の友人がIT業界に就職してノイローゼになった」という話を聞かされたり、愛読していたプログラマーのエッセイの中に「デスマーチ」というキーワードが登場していたりと、IT業界に対しては、あまり良いイメージは持っていませんでした。
編集部 IT業界に対するマイナスイメージは払拭できたのですか?
片岡氏 大学時代に電気系のコースを専攻し、いったんはプログラミングの道から離れたのですが、大学院に入って再びプログラミングを学び始めました。その時期に、Twitterなどのツールを使って数人規模のスタートアップを含むIT業界の方々と交流する機会を得る中で、実際に自社プロダクトを作っているIT企業の多くはブラックではないことが分かり、マイナスイメージを払拭することができました。
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