ロボット、人工知能、Deep Learning、IoT、ドローン、ゲーム開発、Windows 10――2015年注目だった開発者/プログラマー向け記事まとめ:2016年はどうなる?(1/3 ページ)
2015年も、開発者/プログラマー向けの話題がたくさんありました。本稿では、今年の大きなトピックを振り返りつつ、参考にしていただきたい記事をピックアップしますので、年末年始にでも読んでみてください。
早いもので今年ももう終わりですね。2015年も、開発者/プログラマー向けの話題がたくさんありました。ロボット、人工知能、Deep Learning、IoT、ドローン、Windows 10など一見、ITシステムを作る開発者には関係なさそうに見えますが、今後はこれらを活用したサービスやシステムを開発することも珍しくなくなるのではないでしょうか。
本稿では、今年の大きなトピックを振り返りつつ、参考にしていただきたい記事をピックアップしますので、年末年始にでも読んでみてください。
一年を通じてロボットや人工知能、Deep Learningが注目された
一年を通じて、一番注目を集めたと言えるのは、ロボットや人工知能、Deep Learningでしょう。例えば、家庭向け人型ロボットPepperが、2月に開発者向けに、6月には一般向けに販売開始になりました。もともと、2014年から話題になっていましたが、発売に伴って人気は高まり、専用のアプリを開発する人も増加しています。
ペッパーがイッパイ! プログラミング教室会場には、ざっと10体のPepperが並ぶ。実にぜいたくな環境だ(記事「ラッスンゴレライや妖怪ウォッチもできる? Pepperでプログラミング教育は広まるか、息子と体験してきた」より引用)
Pepperはプログラミングで行動を制御できますが、一番注目されたのは、人工知能によって自分で状況を判断して発言できることです。人口知能・ロボットといえば、今年は自動運転車も大きな話題となりました。10月に開催された東京モーターショーでも、テーマの一つが「自動運転」となり、トヨタ自動車や日産自動車の自動運転への取り組みも多くのニュースが届けられました。@ITでは、その先駆と言えるグーグルの自動運転の取り組みや自動運転技術の歴史を連載で取り上げていますので、ぜひご参考に。これを読むと、自動運転の根幹にあるのは、アルゴリズムというプログラマーに身近なものであることが分かると思います。
Google Carのセンサー(動画「A First Drive - Google Self-Driving Car Project」より引用した画像を加工)(記事「あなたの知らない自動運転技術の歴史とGoogle Carの自動運転に使用するセンサーの基礎知識」より引用)
さて、人工知能を支える技術として今年注目を浴びたのが、ニューラルネットワークやDeep Learningです。特にインパクトがあったのは、グーグルが7月に発表した「Deep Dream」。どんな画像でも芸術的? にしてしまうことで注目されました。
Deep Dreamが出力した画像の例。各部が動物などの画像に置き換えられている(出典:ValuePress!)(記事「Deep Dreamを簡単に体験:グーグルの人工知能を利用できるWebインターフェースが登場」より引用)
@ITでもDeep Learningやニューラルネットワークを使った画像処理についての解説記事を展開しました。一見難しそうですが、こちらを読めば、その仕組みが理解できると思います。
Convolutional層(64×64の画像上で2×2のパッチを2pixelずつ滑らせ、各パッチから5つの特徴量を取り出す)(記事「いまさら聞けないDeep Learning超入門(1):ニューラルネットワーク、Deep Learning、Convolutional Neural Netの基礎知識と活用例、主なDeep Learningフレームワーク6選」)
さらにグーグルは、12月2日には画像認識をAPIで活用できるようにしました。Deep Learningやニューラルネットワークの知識がなくても、画像認識については手軽に活用できてしまうことになりそうです。
顔の各パーツの座標などを検出できる(出典:Cloud Vision APIのYoutube動画、以下同様)(記事「APIコールだけでおよそ欲しい画像認識系の機能が使えるGoogle Cloud Vision APIとは」より引用)
主に画像処理の部分で注目を集めたDeep Learningやニューラルネットワークですが、その応用は下記のようにさまざまな分野で期待されています。また12月11日には、米テスラモーターズの会長兼CEOのイーロン・マスク氏らが、「OpenAI」という人工知能関連技術の開発を行う非営利企業を設立するなど、2016年もこの周辺は注目されそうです。
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