リクナビ、マイナビだけじゃない――「就活ナビサイト」使い倒しマニュアル<前編>:就活のトリセツ(4)(3/3 ページ)
IT業界への就職を考えている学生のために就活のイロハを伝授する連載「就活のトリセツ」。第4章は、マイナビやリクナビなどの就活ナビサイトを徹底解説する。
疑問その5:マイナビとリクナビに登録すればOK?
そもそも就活ナビサイトって何?に書いたように、ナビサイトを運営しているのは就職情報サービス会社だ。中でもマイナビとリクナビは掲載社数が多く、便利な機能も多数用意されている。それは事実だ。
しかし、どのナビサイトも情報は同じ?に書いたように、掲載している求人企業の種類や数はナビサイトごとに異なる。また「就活生を採用する全ての企業の情報がどこかのナビサイトに載っているか」というと、残念ながらそうでもない。
先に書いたように、求人企業がナビサイトに情報を掲載するには何十万もの費用が必要だ。こうしたコストを掛けられるのは、多数の就活生を採用するような比較的大きな求人企業や、新卒採用に熱心な企業となるであろう。
逆に言えば、「数名しか採用しない」「採用専任の担当者がいない」「新卒採用の予算があまりない」といった中小企業などは、コストが掛かるナビサイトへの掲載をしていない場合が多いのだ。
全国に支店があって多数の就活生を採用する企業への応募を考えているのなら、マイナビやリクナビなどの大規模ナビサイトを活用した就活がマストになるだろう。
しかし、企業規模を問わず地元で就職したい人や、キラリと光る中堅中小の採用情報を探したい人は、どうやってこれらの情報を探せばよいのだろうか。
便利な情報1:大手ナビサイトに載っていない企業の探し方<地方>
皆さんは「商工会議所」という組織をご存じだろうか。
全国に500以上もある地域総合経済団体で、多くの企業が地元の商工会議所に所属し、他企業と交流したり、経営サポートを受けたりしている。
こうした商工会議所の多くが、所属企業の新卒採用を支援する活動を展開している。ということは、地元就職を考える学生にとっては貴重な情報源になり得る。
商工会議所の採用支援で多いのが、「1 合同企業説明会の開催」「2 採用情報を掲載したWebサイトの開設」「3 採用情報誌の発行」の3種類だ。
例えば、愛知県岡崎市(徳川家康の生まれた地として有名)にある岡崎商工会議所は、1〜3全てのサービスを行っている。岡崎市は創業百年以上の老舗企業が何社もあるような歴史と伝統の地方都市で、地元で働く若者を支援しようとさまざまな施策を行っている。
この他、「自治体の産業振興課」などが求人企業を支援するために、情報提供を行っている例もある。
これらの商工会議所や自治体が運営するWebサイトは、採用情報の掲載がメインで、マイページ機能や応募機能などまで完備しているところは少ない。しかし、必要な情報とアクセス手段が明記されていれば、メールや電話で応募できる。地元就職を考えている人や中小規模の企業も就職先の視野に入れている人は、これらのサービスを調べてみることをオススメする。
便利な情報2:大手ナビサイトに載っていない企業の探し方<中堅中小>
そしてもう一つ、見逃せないのが、「J-NET」だ。
その昔、インターネットがなかった時代は、求人企業が大学や専門学校に「求人票」と称される採用情報を記載した用紙を提出し、学校はその内容を掲示や閲覧形式で学生に提供していた。その仕組みをインターネットに置き換えて提供しているのが、J-NETだ。
J-NETとマイナビやリクナビの大きな違いは、運営費用の集め方だ。
疑問その5に書いたように、ナビサイトは求人企業が掲載費を支払うビジネスモデルだ。しかしJ-NETは、大学が運営費用を負担する。求人企業はデジタル化された求人票に情報を入力し、どの大学の学生を募集したいかを選択する。
掲載に費用が掛からないため利用企業が多く、「毎年1万8000社ほどの企業が求人情報を登録しています(J-NET)」とのこと。学校によって見られる求人情報数は異なるが、総数で見るとマイナビやリクナビよりも掲載社数が多い。
現在J-NETを利用している大学は全国で130校ほど。自分の大学で利用できるかどうか、参加大学一覧で確認しておこう。
今回は「就活ナビサイトの使い方」をおさらいした。企業研究などに有効なツール、ぜひとも賢く使いこなしてもらいたい。
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