漁業を変えるIoT技術。海洋とデータセンターをつなぐ:ブロードバンドタワーも参画
米エブリセンスらは、IoT技術を用いて漁場や海洋の情報を収集・共有するシステムの共同研究開発プロジェクトを始める。
IoTデータのマーケットプレースを展開する米エブリセンスは2016年3月2日、インフォコム、光電製作所、ブロードバンドタワーの3社と共同で、IoT(Internet of Things)技術を用いて漁場や海洋の情報を収集・共有するシステムの共同研究開発プロジェクトを始めると発表した。同プロジェクトではネットワーク対応分散型魚群探知機「EveryStampFF(Fish-Finder)」を開発しているという。
エブリセンスによると、最近の海洋関連事業分野では、効率よく漁場を確保したり、海洋資源や環境を保護したりする目的から、魚群探知機による魚影・海底情報の他、水深、水質、水温、潮目、潮流、風向、風速、波高などの海洋環境情報を、従来のような各海洋関連事業者が個別に取り扱うのではなく、多くの事業者でより広い地域の情報を共有することが求められているという。
EveryStampFFは、エブリセンスと光電製作所が共同開発した魚群探知機で、ネットワークを介して制御したり、データを収集したりする機能を備える。複数のEveryStampFFを、ネットワーク経由で連携して動作させることも可能で、1つの船舶で複数の魚群探知機を連携させるだけでなく、母母船と僚船との間など、複数の場所で魚群情報を連携させることができる。
さらに、ブロードバンドタワーのデータセンターや、インフォコムのデータ分析技術を組み合わせて、より広域でリアルタイムな情報共有システムも提供する予定だ。例えば、水揚げ港や水産管理施設といった地上の施設との連携を視野に入れているという。
今後は、リモート・センシング技術センターが提供する衛星データなどとも連携させて、水深や水質、水温、潮目、潮流、風向、風速、波高などの海洋情報を統合的に収集し、分析することをもくろむ。
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