インダストリー4.0時代を見据えた日本精工のIT戦略とは:「売上高1兆円」を支え、円滑に動かすIT基盤(3/3 ページ)
システムごとにサイロ化/個別最適化が進んだITインフラを全社統合し、ガバナンス強化、コスト削減、安定運用を図る──日本精工が中期経営計画の下で進めるITインフラ全体最適化において、データベースの統合基盤に選ばれたのは「Oracle Exadata」であった。[プライベートクラウド/データベース統合][Engineered System]
“インダストリー4.0”も視野に、クラウドも活用してさらなる全体最適を進める
こうしてデータベース基盤の統合を実現した日本精工だが、既に次の改善に向けて動き出している。その1つとして吉澤氏が挙げるのが、アプリケーション実行基盤の統合である。
「アプリケーション基盤の統合では、どうすれば全体として高いROI(投資対効果)を実現しつつ、ハイパフォーマンスなインフラを構築できるかが鍵となります。これについて検討する中で、オラクルから提案されたのが『Oracle Exalogic』です。アプリケーションサーバであるOracle WebLogic Serverを実行できるだけでなく、それ以外の用途にも使える汎用的なプラットフォームなので、これをアプリケーション基盤の統合に使えるのではないかと考えているところです」(吉澤氏)
また、開発およびテスト環境としてパブリックラウド(Oracle Cloud Platform)の活用と、バックアップ効率化のために「Zero Data Loss Recovery Appliance」の導入も検討している。データベースのみならず、インフラ全体を通して全体最適を図る「聖域なき全統合」の実現において、オラクルの各種ソリューションが果たす役割は大きい。
関連記事
- NTTデータ先端技術が説く「Zero Data Loss Recovery Appliance」の価値
- 統合データベース環境の運用効率化に「マルチテナント」と「Zero Data Loss Recovery Appliance」は使えるか?
さらに、IoT(Internet of Things)の技術も取り込んで製造業の高度化を目指す“Industry 4.0”のアプローチも積極的に導入し、工場内のさまざまな機器をネットワークを介して連携させる「スマートファクトリー」の取り組みも進めていきたいと吉澤氏は話す。そこで必要となるのは、各種機器に搭載したセンサーから送出されるデータを取り込み、必要な分析を高速に行うためのビッグデータ処理基盤だ。そのためにオラクルが提供しているのが、HadoopやNoSQLデータの処理を高速に行うエンジニアドシステム「Oracle Big Data Appliance」である。日本精工では、これについても「検討の価値がある」と考えているようだ。
関連記事
- どこが違う? 何がうれしい? オラクルならではのビッグデータソリューション
- ビッグデータとIoTを組み合わせて使い、さらに高い価値を得る。オラクルのソリューションが可能にしたベストプラクティス
- 100万台超の複合機をグローバルに結ぶ! キヤノンの基幹サービスを支えるIoT基盤の全容
最後に吉澤氏が触れたのはクラウドだ。「セキュリティやコストなど、総合的に判断する必要がある」としつつも、「オラクルのクラウドであれば、オンプレミスとパブリッククラウドの間を自由に行き来できるため、必要に応じて両者を最適なかたちで使い分けるハイブリッドクラウドを実現できる」と高く評価している。
いずれにせよ、ITインフラの全体最適に向けた日本精工の取り組みは、まだ始まったばかりだ。今後、同社がOracle Exadataをはじめとするオラクルのソリューションを活用し、どのようなインフラを創り上げていくのか。引き続き注目していきたい。
関連資料
Oracle Exadataにより、従来のシステム基盤では成し得なかったさまざまなIT改革/ビジネス改革を成し遂げた企業の最新事例をダウンロード資料としてまとめました。ぜひ併せてご覧ください。
- 「Oracle Exadata導入事例 2015」(TechTargetジャパン)
※ダウンロードにはTechTargetジャパンへの会員登録が必要です
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- NTTドコモの6600万顧客のリアルタイムビリング基盤「MoBills」を支えるデータベース基盤とは
「Oracle Exadataで垂直統合型システムのイメージが変わった」──NTTドコモの基幹システムの1つ「MoBills」のインフラ刷新を推進したメンバーの1人はそう語る。約6600万顧客への課金/決済を担う同システムのデータベース基盤に、同社はなぜOracle Exadataを選んだのか?[プライベートクラウド/データベース統合][パフォーマンス改善][Engineered System][Oracle Enterprise Manager] - 企業の共通業務を効率化するドコモ・システムズのクラウドサービス「dDREAMS」。その安定稼働をOracle Exadataが支える
多くの企業に共通するオフィス業務を効率化するクラウドサービスとして、ドコモ・システムズが提供しているのが「dDREAMS」だ。ドコモグループの数多くのシステムを開発/運用してきた経験とノウハウが凝集された同サービスの安定稼働は、「Oracle Exadata」をはじめとするオラクルの各種ソリューションが支えている。[高可用性/災害対策][運用管理効率化][Engineered System] - 日本の電力システム改革を支えるオラクルの先進ITソリューション
スマートメーターから得た各種情報を用いて効率的な送配電を実現する鍵となるのは、それらの情報を短時間で処理して事業者に提供する高性能なデータベース基盤の構築だ。オラクルは、Oracle Exadataをはじめとする先進のデータ活用ソリューションにより、送配電の最適化からビッグデータを利用したビジネス革新まで、電力ビジネスを全面的に支援する体制を整えている。[パフォーマンス改善][Engineered System] - 大和ハウス工業はグループ全体のDB基盤統合と高速化をどう実現したか
大和ハウス工業はグループ全社で利用する基幹業務システムの統合データベース基盤として「Oracle Exadata」を導入し、バッチ処理を最大241倍高速化。その高い性能とコスト効果を確信すると、さらにSAP ERPのバックエンドデータベースにも採用するなど活用の輪を広げてきた。[プライベートクラウド/データベース統合][パフォーマンス改善][運用管理効率化][Engineered System] - 札幌市は“発注者主体”で基幹情報システム刷新プロジェクトを推進。「調達の透明性」と「地元企業の参入機会拡大」を確保した秘訣
「発注者側が主体性を維持しながらITプロジェクトを推進する」というコンセプトの下、札幌市が基幹系情報システムをメインフレームからオープン系に移行する一大プロジェクトを推進中だ。発注者側の主体性維持はどのように実現したのだろうか?[プライベートクラウド/データベース統合][パフォーマンス改善][Engineered System][Oracle Database 12c]
関連リンク
提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年4月23日