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新潟編:放課後児童クラブはあるか、病児、病後時保育は充実しているか――子育て中のエンジニアが、移住先選びでチェックすべき4つのポイントITエンジニア U&Iターンの理想と現実(18)(1/3 ページ)

ダンナが「移住する」と言いだしても、帯同するパートナーには、見知らぬ土地での子育てや人間関係などの不安があります。NPO法人マミーズ・ネットの中條美奈子さんに、地方へ移住する子育て中の家庭が抱えがちな悩みや解決策について伺いました。

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「@IT式 U&Iターンスタイル」は、全国各地のU&Iターンエンジニアたちが、地方での生活の実情や所感などをセキララに伝えていく。ご当地ライターたちのリアルな情報は、U&Iターンに興味のある方々の役に立つだろう。


 こんにちは。「しごとのみらい」の竹内義晴です。

 新潟にU&Iターンするエンジニアが知っておきたい情報をお届けする本連載。今回のテーマは「移住とパートナー」です。

 「いい環境で仕事をし、家族と一緒に過ごせたらいいな」――エンジニアにとって移住とは、理想的な働き方や生き方をかなえる前向きなイベントです。頭に描くのは移住後の夢のような仕事と住まい。それらが決まれば、あまり悩むこともないのかもしれません。

 一方、パートナーから「移住したい」と言われた家族の方は、どうでしょうか。知らない土地で知り合いがいないのは孤独です。特に子育て中の女性は、環境も気になるところです。

 そこで今回は、家族で地方へ移住することになったときに子育て中の家族が抱えがちな不安や、その解決策に目を向けます。ご自身の移住経験を生かして子育て世代の女性を支援している、NPO法人「マミーズ・ネット」理事長、中條美奈子さん(以下、中條さん)にお話を伺いました。U&Iターンの不安や悩みを解決するヒントになれば幸いです。


マミーズ・ネット 理事長 中條美奈子さん

中條さんが体験した「移住と子育ての現実」

 まず、マミーズ・ネットと中條さんについて紹介しましょう。

 マミーズ・ネットは、新潟県上越市にあるNPO法人です。生活する上で、働く上で、子育てがマイナス要因にならないよう、子育て情報や仲間とつながる場を提供しています。

 初めて子どもを授かった女性にとって、子育ては生活環境をガラッと変えるイベントです。自分が生まれ育った場所以外の、不慣れなところで子育てする場合はなおさらです。だからこそ、「ここに来れば何とかなるさ……という場を作りたい」と、中條さんは言います。

 中條さんがこのように思うようになった背景には、2度にわたる移住経験があります。

 中條さんが初めての子どもを授かったのは東京でした。妊娠前から、同じ時期に子どもを産む友達を見つけたり、在宅でできる仕事を見つけたりするなど、「ここでなら、楽しく子育てができそう」という環境を意識的に準備されていたそうです。そして、出産。

 けれども、お子さんが5カ月のとき、ご主人の転勤で仙台に引っ越すことになりました。

 ご主人は、会社に行けばやるべきことがあり、出会うべき人もいます。けれども中條さんとお子さんには、行くべきところがなく、家にじっとしていれば誰かに出会うこともありません。

 「ある日、夫が仕事に行った後、家の固定電話に目がとまりました。『この電話には、市内通話は掛かってこないんだ。だって、私がここにいるってことを、この街の人は誰も知らないんだから』……そう思ったら、ボロボロ涙が出てきました」

 「このままじゃいけない」と思った中條さんは、子育てをしているお母さん方との新しい出会いを求めて公園に出かけました。幸い、お母さん方と良好な人間関係を作ることができ、子育てについて課題認識を持っていた仲間と、育児サークルを立ち上げるまでになりました。

 しかし、楽しい子育てライフを送れるようになったころ、今度は、新潟県上越市にUターンすることになりました(上越市は中條さんとご主人の出身地です)。中條さんはこのとき、「また、最初からやり直し?」と思ったそうです。それはそうです。これまで築いてきた環境や人間関係が振り出しに戻ってしまうのですから。そして、Uターン。

 「子どもが、『○○ちゃんちに遊びに行こうよ』と、仙台の友達の名前を挙げるのですが、もちろん行けません。『行けないんだよ。遠くなったからね』と諭すと、子どもが泣くんです。で、私も一緒に泣くと(笑)」

 仙台に引っ越したときのような出会いを求めて、上越でも公園に行ってみたそうです。けれども上越は子どもの絶対数が少なく、何度公園に行っても誰もいなかったそうです。友達を作りたくても、作れない孤独感。それは、お子さんにとっても、そして、中條さんにとっても、どれだけ大きかったことでしょう。半年間そんな日々が続きましたが、お子さんの幼稚園入園がきっかけで救われたそうです。

 中條さんはこのような経験を通じて、「いつも一(いち)から生活を立て直すことを、母親の責任にしていていいのか?」という疑問を抱くようになり、マミーズ・ネットの立ち上げに関わるようになりました。

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