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既存データベースをコスト&リスクを抑えてインメモリ化──企業がOracle Database In-Memoryを使うメリットOLTPとデータ分析の共存が可能に(2/3 ページ)

既存のデータベース環境を最小限のコストとリスクで大幅に高速化し、データのリアルタイム活用を実現する「Oracle Database In-Memory」。同製品ならではのメリットや活用事例について、米オラクルでプロダクトマネジャーを務めるマリア・コルガン氏に聞いた。[パフォーマンス改善][Oracle Database 12c]

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インメモリの可能性を拡大するテクノロジーを数多く投入

 Oracle Database In-Memoryは、トランザクション処理に強いロー型データと、分析/レポート処理を得意とするカラム型データの両方を保持するという画期的なテクノロジーを基にしているが、さらに「Oracle In-Memory Columnar Technology」と呼ばれるテクノロジーにより、利便性やパフォーマンスも高めている。

Oracle Database In-Memory Columnar Technologyの詳細

 例えば、対象とするデータをテーブルまたはパーティションの単位で指定することが可能な他、メモリ上に展開する際にも2〜20倍の圧縮をかけることでメモリの有効利用を実現している。特定のアプライアンスに依存せず、利用するハードウェアを選ばないこともOracle Database In-Memoryのメリットだろう。

 また、分析クエリのパフォーマンスを高めるためのテクノロジーも導入されている。具体的には、CPUのSIMD(Single Instruction Multiple Data)命令を使ったスキャンニングとフィルタリング処理の効率化、テーブルのジョイン処理の高速化、スキャンニングと同時に値を集計できるインメモリ集計の実現などが挙げられる。これらのテクノロジーを組み込むことで、単にカラム型データベースを使うだけでは得られない高速な分析処理を可能にしているのだ。

Oracle Database In-Memory Columnar Technologyは、分析クエリのあらゆる側面でパフォーマンスを向上させられる

 拡張性については、多くのインメモリデータベースと同様、スケールアウトによるCPU/メモリの追加に対応している他、マルチプロセッサ搭載コンピュータにおけるメモリアクセスの問題を解消したNUMA(Non-Uniform Memory Access)アーキテクチャをサポートしており、スケールアップによる性能向上も容易に行える。

あらゆるサイズにスケールできるDatabase In-Memory

 ストレージとして、DRAM、フラッシュ、HDDを組み合わせて使えることもOracle Database In-Memoryの大きな特長だとコルガン氏は話す。

 「Oracle Database In-Memoryでは、全てのデータをメモリ上に配置する必要はありません。特定のデータだけをメモリ上に展開し、それ以外のデータはフラッシュやHDD上に置くといった構成を採ることで、費用対効果の高いデータベース環境を整えられます。もちろん、データをどこに置いた場合でも、Oracle Database In-Memoryはデータがどこにあるのかを自動的に判断して結果を返すので、ユーザーがデータの配置を意識する必要はありません」(コルガン氏)

 さまざまな先進テクノロジーが組み込まれているだけでなく、容易に扱えることも大きな利点だ。Oracle Database In-MemoryはOracle Database 12cにインメモリ機能をアドオンするものであるため、煩雑なデータ移行の作業を行う必要はない。また、SQLの使用にも制限はなく、アプリケーションの改修も不要だ。複雑な設定を行うこともなく、単にOracle Database In-Memoryで使用するメモリ量(カラムストアサイズ)を指定し、表にインメモリ属性を宣言するだけでよい。

Database In-Memoryは容易に実装可能。煩雑なデータ移行の作業やアプリの改修も不要である

他社製品と比較してOracle Database In-Memoryを選んだ企業も

 このように導入が容易なOracle Database In-Memoryは、すでに世界中の多くの企業で利用されている。

Oracle Database In-Memoryの主な導入企業

 例えば、その1社である米AT&Tの場合、他社のBIソリューションを使ってレポートを作成していたが、パフォーマンス面で課題を感じていたという。

 「そこで、データベースをOracle Database 12cにアップグレードしてOracle Database In-Memoryを導入したところ、レポート作成にかかる時間がこれまでのBIツールの約100倍、ETLプロセスも約50%高速化されました。しかも、ハードウェアやアプリケーションの改修は不要であったことから、わずか3カ月で本番稼働に入ることができたそうです」(コルガン氏)

 欧州の老舗食器メーカーであるVilleroy&Bochも、Oracle Database In-Memoryを導入した企業の1社だ。同社が導入に至った経緯について、コルガン氏は次のように説明する。

 「Villeroy&Boch様では、ある会社のアプリケーションで構築したDWH環境のパフォーマンスを改善したいと考えていました。そこで最初に検討したのが同じ会社のインメモリデータベースだったのですが、これをうまく動作させるためには新たなハードウェアが必要になる他、アプリケーションもその製品用にバージョンアップしなければならないという制約がありました。それらを行った場合にはプロジェクトは長期にわたるものとなり、大きなコスト負担が生じるという懸念があったそうです」(コルガン氏)

 そこで目を付けたのがOracle Database In-Memoryであった。同社はまずPoC(Proof of Concept:導入前実機検証)を実施するが、その結果、既存のハードウェア環境で高いパフォーマンスが得られることが分かったという。

 「当初候補にした製品を使う場合はハードウェアを全て新しくする必要がありますが、Oracle Database In-Memoryならば変更を最小限に抑えられます。つまり、コストもリスクも極小に抑えられるわけです」(コルガン氏)

 こうした検討の末、Villeroy&Bochは最終的にOracle Database In-Memoryの導入を決定。これにより、DWHのクエリ処理を30〜33倍高速化した他、トランザクションクエリ処理に至っては最大で約4800倍もの高速化を果たしたという。


提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年8月18日

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