問題は「能力がないこと」ではない――もしも「社内失業」に陥ったら:仕事が「つまんない」ままでいいの?(34)(1/2 ページ)
仕事がうまくいか“ない”と、つい満たされてい“ない”ことに目が向きがち。でも問題は“ない”ことにあるのでしょうか……。
社内失業中のFさん
先日、知人のFさん(26歳)から「社内失業中でつらい」という相談を受けました。
Fさんは、学生時代はITの専門知識がほとんどありませんでしたが、「時代の潮流を感じたい」と、大学卒業後にIT企業に就職しました。入社直後はシステム開発にも携わったといいます。
しかし、知識がないが故に開発現場でミスを連発。プロジェクトから外され、間接業務に就くことになったそうです。
現在の主な業務は顧客からの電話対応。でも電話が常時鳴るわけではありません。仕事がない時間が多く「社内失業中」だと、Fさんは言います。
「能力がないので、上司や周りの同僚からはほとんど相手にされないんです」
20代後半になり、「このままでは良くない。今の状態から抜け出したい」とFさんは思っているそうです。
多くのビジネスパーソンにとって、知識がない業務に就くことも多いはずです。ましてや、若手のときほどそうでしょう。社内失業中という状況に、「努力が足りなかったんじゃないの?」「知識がないことを言い訳にしたいんじゃないの?」と思うのも、不思議ではありません。
一方、Fさんに話を伺うと、ITの知識がないなりにも、一般的には難しいといわれるデータベースの資格を取ったり、ミスをリカバリーしようと自発的に行動しようとしたりしたそうです。しかしながら、なぜだかいつも空回り。そのため、上司からは「もう、勝手なことはするな」と言われてしまったそうです。
仕事に一生懸命取り組もうと思わない人は、「仕事をしなくて給料がもらえるなんてラッキー」とは考えても、「このままでは良くない」とは悩みません。けれどもFさんは、「このままでは良くない。今の状態から抜け出すにはどうすればいいのか」と悩んでいます。
「社内失業中」という今の状況はともかく、「仕事に一生懸命取り組みたい」という理想がFさんにはある。だからこそ、「今の状態から抜け出したい」と悩むのですよね。
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