“5G×エッジコンピューティング”で人の動線をリアルタイム分析――ソフトバンクの「5G×IoT Studio」で展示開始
ソフトバンクとフューチャースタンダードは、5Gを活用して、カメラ映像をエッジコンピューティング上でリアルタイム処理し、人の動線を分析する「リアルタイム動線分析」のデモを発表。自律走行するロボットと連携させたデジタル広告と併せて、「5G×IoT Studio」のお台場ラボで展示する。
ソフトバンクとフューチャースタンダードは、2018年11月30日にリニューアルオープンした「5G×IoT Studio」のお台場ラボ(東京都江東区)で、第5世代移動通信システム(5G)を活用した「リアルタイム動線分析」のデモンストレーションを展示する。
このデモンストレーションは、小売業でのユースケースを想定した展示になっている。お台場ラボ内の展示エリアに設置したカメラの映像から、人の動線をリアルタイムで分析するとともに、属性解析データから予測した性別や年齢情報を付与し、ターゲットグループごとに動線やヒートマップを可視化する。
さらに、分析したデータを自律走行するロボットと連携させることで、それぞれの属性に応じたデジタル広告をロボットに表示して提案するといったデモンストレーションも併せて実施する。
リアルタイム動線分析では、高速で大容量データ通信が可能な5Gを活用して、複数台のカメラで撮影した高画質映像を伝送し、フューチャースタンダードの映像解析プラットフォーム「SCORER(スコアラー)」を使用してエッジコンピューティング上でデータ処理することで、リアルタイムで人の動線を分析できるようにした。エッジコンピューティング上で処理することで、カメラに高性能なGPU(Graphics Processing Unit:画像処理装置)を搭載することなく、リアルタイムでデータ処理ができるという。
なお、SCORERでは、映像解析に関する最新技術をブロックのように組み合わせて、安価で容易にAIを活用した映像解析システムを開発できる。
ソフトバンクとフューチャースタンダードでは、今回の取り組みは、イベントなどで不審者を特定するといった防犯対策や、工場などにおける事故発生を事前に予測してアラームで警告するなど、今後さまざまなシーンで活用されることが期待できるとしている。
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