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次のWi-Fiはどうなる? IoTでの利用拡大を狙うIEEE 802.11ahに準拠した「Wi-Fi HaLow」

Wi-Fi Allianceは、IoTにおけるWi-Fiの利用拡大を目指し、「IEEE 802.11ah」標準(Wi-Fi HaLow)に準拠した製品の認証プログラム「Wi-Fi CERTIFIED HaLow」を開始した。IoTや産業用IoT環境などに向く技術だ。

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 無線LAN関連の業界団体Wi-Fi Allianceは2021年11月2日(米国時間)、IoT(モノのインターネット)におけるWi-Fiの利用拡大を目指す取り組みを発表した。「IEEE 802.11ah」標準(Wi-Fi HaLow)に準拠した製品間の相互接続を保証する認証プログラム「Wi-Fi CERTIFIED HaLow」を開始した(HaLowは「ヘイロー」と読む)。

 この認証プログラムにより、Wi-Fi HaLow対応製品であれば、異なるメーカーの製品同士でも接続が保証されるため、ユーザーは安心して対応製品を使用できる。


Wi-Fi HaLowの位置付け 既存の2.4GHz帯や5GHz帯を置き換える技術ではない(出典:Wi-Fi Alliance

 Wi-Fi HaLowはサブGHz帯(日本では920MHz帯を想定)で動作し、低消費電力での長距離通信を可能にするとともに、厳しいWi-Fi環境でも強固な接続を提供する。IoTや産業用IoT(IIoT)環境に加え、小売りや農業、ヘルスケア、スマートホーム、スマートシティー市場において、電力効率に優れたさまざまな新しいユースケースを実現する。

 Wi-Fi Allianceは、Wi-Fi HaLowの特徴を次のように説明している。


Wi-Fi HaLowの主な特徴(出典:Wi-Fi Alliance

・約1キロの長距離通信
 農業や物流のモニタリングなどの用途に対応できる。

・消費電力が低い
 数カ月、数年にわたってボタン電池で駆動するデバイスに向く。センサーやパーソナルウェアラブルデバイス、公共料金メーターといったアプリケーションに必要な省電力接続を可能にする。

・電波利用率を向上
 数千台のデバイスを接続するアクセスポイントが実現できる。

・障害物に強い
 壁や他の障害物を貫通して強固な接続が必要な厳しい環境に対応できる。こうした環境で、セキュリティカメラからの圧縮映像のストリーミングなどのアプリケーションをサポートする。

・ネイティブIPに対応
 専用のハブやゲートウェイが不要。

・ユーザーがWi-Fiに求めるさまざまなメリットを提供
 異なるメーカー製品間の相互運用性の他、強力なWPA3セキュリティ、既存のWi-Fiネットワークに影響を与えない容易なセットアップ、IPネットワークへのシームレスな接続など。

Wi-FiのIoTポートフォリオ

 Wi-Fi AllianceはさまざまなIoT環境に低消費電力や高性能、安全なWi-Fiを提供する技術の強力なポートフォリオを既に持っている。Wi-Fi CERTIFIED 6、Wi-Fi CERTIFIED Easy Connect、WPA3などだ。「Wi-Fi HaLowは、こうしたWi-Fiポートフォリオへの魅力的な追加となる」と、Wi-Fi Allianceは述べている。

 日本でWi-Fi HaLowの推進に取り組む802.11ah推進協議会は、Wi-Fi HaLow(IEEE 802.11ah)と他のIoT規格の違いを次の図のように整理している。


IEEE 802.11ahと他のIoT向け規格の違い(出典:802.11ah推進協議会

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