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情シスの立ち回りが成否を握る「デジタルの民主化」:成功&しくじり事例で学ぶ(2/3 ページ)
現場の若手メンバーが進めたワークフローシステム改革。約1カ月で帳票を60%削減し、プロジェクトは大成功に見えたが……。
事例その2:本質を理解しないまま進めたプロジェクトの混沌(こんとん)
B社の事例も、きっかけは老朽化したワークフローシステムの刷新だった。
グループ会社をまたいだ稟議(りんぎ)などの申請書を利用するために、従来のシステムでは不足していた条件分岐や並列処理などの機能を補い、全社で統一したワークフローを作り、汎用(はんよう)的な開発基盤として導入すべく、ノーコード/ローコード開発プラットフォームを導入した。
導入プロジェクトの主体となったのは、情シスメンバー7人、総務2人、経理2人。プロジェクトのスタート時には、それぞれがどの業務から着手するか、情報整理まではできていた。
問題は、総務・経理メンバーが現行踏襲にとらわれて、業務プロセスそのものを見直すという発想に至らなかったことだ。
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