35歳からのキャリア――中堅世代こそ「Will、Can、Must」を考えよう:仕事が「つまんない」ままでいいの?(90)(1/4 ページ)
あなたが中堅世代なら、将来のキャリアに不安になることがありませんか? そんなときは、Will、Can、Mustで整理すると、これからの方向性が見えてくるかもしれません。
もしもあなたがある程度経験を重ねてきた35歳以上のエンジニアだったら、これからのキャリアを考えたとき、「この先、どうなっていくのかな?」と不安を抱えませんか?
若いころは、会社の「やるべきこと」に対して「できること」を増やしていけば評価されました。また、できることが増えると成長を実感できるため、やりがいにもつながりました。特に、エンジニアは「新しいプログラム言語を覚える」「難しいロジックを組めるようになる」など、成長をダイレクトに感じられることが、仕事の楽しさです。
しかし、ある程度経験を重ねてくると、技術的な仕事だけではなく、「プロジェクトの進行」や「若手社員の育成」など、やるべき仕事が変化していきます。すると、何となく「やりたいことと違うんだよな」と感じたり、得意なことが生かせていないような感じがしてモヤモヤしたりします。さらに、その先の将来を考えると「最近、専門性を磨けていないな」「この先のキャリア、大丈夫かな」と不安になります。
そこで、今回は「35歳からのキャリア」を考えていきます。
Will、Can、Mustで「置かれている状況を知る」
Will、Can、Mustという「ベン図」をご存じですか? よく引用されるので、きっとご存じの方も多いと思います。Will、Can、Mustが、それぞれ「やりたいこと」「できること」「やるべきこと」、ベン図とは、それぞれの関係や重なりの範囲を視覚的に図式化したものです。
Will、Can、Mustの重なりが大きいほど、やりがいと充実感を持って仕事ができるといわれています。
Will、Can、Mustのベン図を使った研修やワークショップは、「自分を知る」という目的で、若い世代にはよく行われています。ひょっとしたらあなたも、新入社員研修などで一度は書いたことがあるかもしれません。
一方で、ある程度経験を重ねた世代は、このベン図の存在を何となく知ってはいても、実際に書いたことがある人はほとんどいないのではないでしょうか。
でももしあなたが中堅世代で、「自分は相応のスキルがある」と認識しているにも関わらず今後のキャリアに何となく不安を感じているなら、Will、Can、Mustで今後の進むべき方向を整理してみることをオススメします。なぜなら、図式化、言語化することによって、これまでのキャリアの変化や、現在置かれている状況を可視化し、「今後、何をすべきか」が客観的に整理できるからです。
若いころのWill、Can、Mustを書いてみる
まず、若いころのWill、Can、Mustを書いてみます。
社会人経験が浅い若いころは、やりたいことが明確になっておらず、「取りあえずできることを増やそう」と考えていた人も多いと思います。
もともとエンジニアになりたかった人は、若いころから「プログラマーになりたい」「デザイナーになりたい」「モノづくりの仕事に関わりたい」など、やりたいことが明確だったかもしれませんね。その場合、WillとMustが大きくて、Canが小さい、こんなベン図になるかもしれません。私はエンジニア出身ですが、若いころはこのような感じでした。
このフェーズで大切なのは「できることを増やす」ことです。
30歳前後のWill、Can、Mustを書いてみる
続けて、30代前後のWill、Can、Mustを書いてみます。人にもよりますが、このころは、できることが増えてバランスが取れてくる人が多いのではないでしょうか?
ちなみに、これは私が31歳ぐらいのときのベン図です。システム設計やプログラミングスキル(つまり、Can)に自信があり、会社や顧客からのMustにも相応に答えられるようになりました。また、エンジニアの仕事が大好きだったため、「生涯エンジニアでいたい」というWillもはっきりしていました。もちろん、大変なこともありましたが、Will、Can、Mustのバランスがとれていたため、毎日が充実していました。
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