徳島編:東京でそこそこだったエンジニアが、地元で輝きを取り戻した日:U&Iターンの理想と現実(51)(1/3 ページ)
地方のIT企業の仕事は公共の受託開発がメイン。いつまで続けられるか分からない。そんな不安にかられた筆者がとった行動は?――「ITエンジニア U&Iターンの理想と現実 徳島編」。最終回のテーマは、地方での仕事の作り方です。
こんにちは。東京から徳島にUターンしたフルスタック寄りのエンジニア、「GTラボ」代表取締役の坂東です。
IT産業は移り変わりが早く、3年でトレンドが代わります。10年持つ会社や事業はまれでしょう。「U&Iターンの理想と現実:徳島編」、今回は地方での仕事探しについてです。地方のエンジニアは選択肢が少ないという危機感と、では僕がどうやったのかを書きます。
死ぬ気で頑張れ、死なないために
人生の勝利者、エンジニア。人気者だから仕事は向こうからやって来る。文系から嫉妬の対象、エンジニア。売り手市場は尽きることなく、書類選考はスルー状態。35歳定年説どこいった――というのは、都会の皆さまの話です。
こっちはしんどいよ。
地方のIT企業は、ほとんどの仕事が「東京の仕事」か「公共の仕事」の受託開発です。サテライトオフィス系は、話としては面白いけれど、まとまった雇用につながるのは難しいでしょう。
「東京の仕事」のライバルは海外です。発注者目線で見ると、発注先の選択肢は「地方(ニアショア)」か「海外(オフショア)」になるからです。
オフショア、いいですよね。僕もアプリ開発をベトナムに発注したことがあります。「日本人の4分の1の単価」で、「3倍のスピード」で、「きっちり」仕上げてくれました。会話でのコミュニケーションは少し難がありましたが、slackやredmineでのやりとりに支障はありませんでした。
値段やスピードでは、地方は海外に勝てない。それならば、トレンドを把握して、マーケティングや企画提案から行えばいいのですが、地方のIT企業には難しいかもしれません。
では「公共の仕事」はどうでしょうか。公共の仕事はマイナンバー特需など政策に左右されます。受注には技術よりも政治力が必要で、そっちにハマると抜けられそうにありません。
また、現状は各自治体がバラバラに作っているシステムを、今後は国がプラットフォームを構築して提供する流れとも聞き及びます。そうなると地方の仕事はだいぶ減るでしょう。
いずれも、定年まで仕事が続けられる、いや、仕事があるとは思えません。地方でエンジニアとして人生を全うしたいなら、都会の何倍も、それこそ死ぬほど努力しないといけません。
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