ニューノーマル時代のエンジニア生きのこり戦略:エンジニアが苦手なのは早起きじゃなくて通勤だった?(5/5 ページ)
コロナ禍3年目を迎え、いろいろな常識が変わったよね。でも、変わらないものもあるんだよ。
雨、逃げ出さないとしたら
もう1つの生存戦略として、「いまいるところで頑張る」というのはいかがでしょう? ずっと転職指南をしてきた菌類ですが、あえてここでは「転職しない指南」にチャレンジしてみます。難易度が上がるので転職しない、という選択をしたとき、何が起きるのかを考えてみましょう。
まず手に入るのは、転職の準備をするための時間です。日々腕を磨いていますか? それをアウトプットしていますか? この記事を読んでいる皆さんなら、もちろん存分に取り組んでいることと思います。
でも、もうちょっと踏み込んで学びたい技術があったりしませんか? こないだぶつかった問題、ブログに書こうと思ったまま棚上げにしていませんか? ちょっとだけ立ち止まって、足元を見回してみましょう。それは結果的に転職の準備になるだけでなく、皆さん自身の価値を上げることにもつながります。
もう1つ、いまいるところで頑張るのは「ラストマン戦略」にも似ています。求人市場が厳しいということは、いまいる会社の状況も厳しくなるかもしれない。であれば、それを察知したエンジニアたちはいち早く抜けていくかもしれない。その流れに乗って転職していくという戦略もありますが、ちょっとした逆張りとしての「いまいるところで頑張る」戦略をとってみる、ということです。
菌類の友人にも、当時在籍していた会社に退職のビッグウエーブが来たとき、「あえて残る」と決めたエンジニアがいました。優秀なエンジニアが抜けていくのはつらいけど、相対的に自分の価値が上がっていく。事業はきっと立ち直るだろうし、その中で自分がやること(やらなければならないこと)が広がれば、自分の成長に直結するだろう、つまり絶対的にも自分の価値が上がっていく。そう決めて、「いまいるところで頑張る」ことにしたのです。
特定されちゃうので詳細は伏せますが、彼の戦略は結果的にはビタっとハマりました。残ることで得た経験は、その後めちゃくちゃ高値で引き合いが来まくったと聞きます。
市場ににわか雨がやってきたので、雨宿りして足元を見回す。いまの状態でできることを頑張る。やまない雨はありませんから、いずれ状況は変わるでしょう。再び青空が見えたとき高くジャンプするための準備をするのも、生存戦略としてはアリな気がしてきませんか?
せめて、エンジニアらしく
というわけで、今回は外的要因による転職市場の変化を予感し、エンジニアとしてどんな戦略が取れるかを考えてみました。市場経済を1人のエンジニアがコントロールすることはできませんが、いまの状況を冷静に把握し、しかるべき準備をしておけば、次に来る変化にも飲み込まれずに生存できるはずです。
また、経済不況はテクノロジーの視点ではゲームチェンジのタイミングでもあります。例えばリーマンショックによる景気後退は、パブリッククラウドの普及を大きく後押ししました。次のインパクトは何だろう、そこで求められる技術は何だろう。考えてみるだけでワクワクします。
求められるバリューを出しつつ、生存戦略を立案しつつ、次のゲームチェンジャーを探してそこに投資してみる。エンジニアって相変わらずやりがいがあって楽しい仕事ですね!
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