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Microsoft純正ディスクイメージ変換ツール「Disk2vhd」のv2.02がv2.01よりも“ダウングレードしている”疑惑その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(237)

Disk2vhd(Disk to VHD converter)は、MicrosoftがWebサイトおよびMicrosoft Storeで無料ダウンロード提供しているWindows Sysinternalsツールの一つです。2022年6月現在の最新バージョン2.02に、少しおかしなところがあることに気が付きました。

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「Windowsにまつわる都市伝説」のインデックス

Windowsにまつわる都市伝説

Windows Sysinternalsのほとんどのツールは32bit版が“二刀流”

 「Windows Sysinternals」の各ツールは、もともと32bit(x86)版の実行可能ファイル(ツール名.exe)のみ提供されていました。しかし、OSの64bit化(x64、amd64)、64bit OSで32bitアプリケーションの実行をサポートするWOW64(Windows 32-bit On Windows 64-bit)が利用できない環境の登場(「Windows Server 2008 R2」以降のServer CoreからはWOW64サポートの削除が可能、Nano ServerはWOW64非搭載)、「Windows on Arm」の登場などもあって、現在は64bit版(x64版ツール名64.exe、Arm 64版ツール名64a.exe)も用意されています(画面1)。

画面1
画面1 現在のDisk2vhd(v2.02〜)のダウンロードファイル「Disk2vhd.zip」には、32bit(x86)、64bit(x64)、Arm(arm64)版の実行可能ファイルが含まれる

 各ツールの32bit(x86)版の中には32bit/64bitの両方に対応し、64bit OS上で実行すると、自身で64bitネイティブバイナリの実行可能ファイル(.exe)を一時的に作成して、64bit版を起動するようになっているものもあります。例えば、「Process Explorer」(Procexp.exe)や「Process Monitor」(Procmon.exe)がそうです(画面2)。

画面2
画面2 32bit版Process Explorer(Procexp.exe)を64bit OS上で実行すると、64bit版の「procexp64.exe」を自ら生成し、その64bit版を開始する

 このようなツールは、32bit版は64bit OS上でランチャーとして機能するわけです。32bit/64bit環境のみを対象とする場合は、32bit版のツールだけを持ち歩けば用が足りるということになります(strings.exeやsigcheck.exeなど、32bit版コマンドラインツールの多くは64bit OSのWOW64上で32bitアプリケーションとして動作します)。

「Disk2vhd.exe」を64bit OSで実行するとエラー発生

 「Disk2vhd」(Disk to VHD converter)は、稼働中のWindows OSのローカルディスクイメージをキャプチャーし、Hyper-V互換のVHDファイルまたはVHDXファイルに変換するツールです。物理マシンをHyper-V仮想マシンやAzure仮想マシンにP2V(Physical to Virtual)移行する際の簡易的なツールとして利用できます。

 このツールも32bit/64bitの両対応だと思っていたのですが、先日、久しぶりに「Windows 11」上で最新バージョンの「Disk2vhd v2.02」(2021年10月リリース)のDisk2vhd.exeを実行してみたところ、「Error launching 64-bit version:指定されたファイルが見つかりません」のようなエラーが表示されて起動できませんでした(画面3)。

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