ニュース
NTTデータ、GAFAMや中国企業に対抗する欧州のデータ共有基盤を、東京大学にあるデータスペースのテストベッドに実装 その狙いとは?:Gaia-XのDigital Clearing Houseとは何か
今まで欧州圏のみで提供されてデータ共有基盤を東京大学にあるデータスペースのテストベッドに実装したとNTTデータが発表した。その狙いは何なのか。
NTTデータは2024年10月8日、「Gaia-X Digital Clearing House」(GXDCH)を東京大学にあるデータスペースのテストベッド(実証実験環境)に実装したと、Gaia-Xと共同で発表した。
そもそもデータスペースとは
「データスペース」(Data Space)はEclipse Foundationで仕様策定が進められるデータ交換用プロトコル「Eclipse Dataspace Protocol」に基づいた、複数企業・組織間でのデータ交換基盤だ。
DX(デジタルトランスフォーメーション)推進やサステナビリティ、カーボンフットプリントなどの取り組みでは、企業内のデータ処理に加え、複数企業が持つデータの連携が必要とされ、企業をまたいだデータ基盤の実装が必要となる。実装時に発生する諸問題を解決するために最近注目されているのが、データスペースだ。
IPA(情報処理推進機構)は、その特徴について、データ提供元がデータの権利を保持し続ける「データ主権」、共通のデジタル基盤を利用することで誰もがデータを活用することが可能な「公平性」、データ提供元と相互に信頼性を確保した上でのデータ転送/アクセスが可能な「相互運用性」などを挙げている。
Gaia-Xとは、Digital Clearing House(デジタルクリアリングハウス)とは
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- AI導入も考慮した「実践的なDX手引書」の改訂版をIPAが公開
情報処理推進機構は、「DX実践手引書 ITシステム構築編」の改訂版を公開した。第4章の「あるべきITシステムとそれを実現する技術要素」に、「データスペース」と「データ活用におけるAI」を追記した。 - ドイツの州、3万台の自治体PCを「Linux」「LibreOffice」に移行すると発表
ドイツ北部のシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州は、自治体のPC3万台で使用しているWindowsとMicrosoft OfficeをLinuxとLibreOfficeに移行すると発表した。LibreOfficeの開発元であるThe Document Foundationは、同州が移行を決めた背景として「欧州委員会のGDPR違反」を挙げている。 - 「非営利のOSS開発者や組織が法的、金銭的責任を負う恐れ」――Python Software Foundationが欧州の法案に懸念
Python Software Foundation(PSF)は、欧州議会で2022年に提案された2法案について、「PSFの使命とOSSコミュニティーの健全性を危険にさらす問題がある」との見解を公式ブログで発表した。