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「FTPサーバでファイル共有」は“危険で手間”――ブラザー工業はどうやめた?協力会社とのファイル共有にセキュリティの懸念が

協力会社との設計ファイルの共有にFTPサーバを利用していたブラザー工業。共有のたびにファイル保管場所をメールで連絡する手間に加えて、FTPサーバのセキュリティリスクに悩んでいた。どう解消したのか。

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 プリンタや複合機などの情報通信機器を手掛けるブラザー工業は、プリント基板設計における協力会社とのファイル共有にFTPサーバを利用してきた。ファイルを共有するたびに保管場所をメールで都度連絡する手間が発生していた他、このFTPサーバにセキュリティリスクがあることが判明したことから、見直しが急務になっていた。

 ブラザー工業はFTPサーバとは別に、社内でファイル共有ツールを利用していた。このサービスはユーザー課金制であり、設計担当者全員に導入すると費用が高額になってしまう。仕様面でもFTPサーバと同様のフォルダ構成を再現できず、共有するファイルの所在が分かりにくくなる懸念もあった。

「脱FTP」を実現したブラザー工業、ファイル共有をどう変えた?

 こうした課題を解消するために、ブラザー工業はFTPサーバによるファイル共有からの脱却を進めた。共有業務の効率化や、FTPサーバに起因するセキュリティリスクの解消といった成果を得ているという。具体的に何をしたのか。

 ブラザー工業はファイル共有の仕組みとして、新たにダイレクトクラウドの法人向けオンラインストレージ「DirectCloud」を導入した。プリント基板設計における協力会社とのファイル共有に利用している。

 ファイルサーバのような操作感でDirectCloudを利用できる「DirectCloudドライブ」機能を活用し、社内PCのエクスプローラー内に「Dドライブ」としてDirectCloudをマウント。「Active Directory」(以下、AD)と連携したシングルサインオン(SSO)により、PC起動時に自動でログインするようにした。

 協力会社とのファイル共有では、圧縮していないオリジナルファイルを所定のフォルダに保存し、そのリンクをメールで送付する形を採用した。協力会社には、事前に登録したアカウントでDirectCloudにログインしてもらい、特定のフォルダだけにアクセスできるようにした。一定期間(半年など)が経過したファイルを自動的に消去する「自動削除機能」を利用し、製品データが外部に残り続けるリスクを抑えた。

 ブラザー工業がDirectCloudを採用した主な理由は、自社で運用するADの認証をそのまま利用できることだ。IT戦略部門が定める暗号化やアクセスログの取得といったセキュリティの必須要件を満たし、かつユーザー数無制限の料金体系によってコストを抑えられる点も評価した。

ファイル共有を効率化、協力会社のサーバ構築・管理も不要に

 DirectCloudの導入により、設計担当者はファイルのリンクをコピーしてメールに貼り付けるだけで、ファイルを協力会社と共有できるようになった。DirectCloudには、AD連携によって社員を自動的にユーザー登録する仕組みがあることから、IT管理者はアカウントの発行・管理といった手間を抑えて運用できているという。

 協力会社も、自前でFTPサーバを構築・維持する必要がなくなり、無償でファイル共有の仕組みを利用できるようになった。ファイルを圧縮せずに、オリジナルのまま共有できることも効率化につながっている。ダイレクトクラウドは2026年8月17日、本事例を公開した。

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