
JavaはクラウドやHTML5、
iOS/Androidも取り込む?
JavaOne 2011まとめレポート
Twitter Inc.
山本裕介
2011/10/14
JavaOne 2011まとめレポート
1996年から続いている伝統のJava開発者向けイベント、「JavaOne Conference 2011」が10月2~6日の4日間サンフランシスコで開催されました。オラクルによるサン・マイクロシステムズ(以下、サン)の買収騒動から一息着いた今回は「Moving Java Forward」を標榜し、Javaエコシステムが今度も進化し続けることを強調する発表が続々となされました。
本稿では、カンファレンス期間中になされた重要な発表をプラットフォーム別にまとめてお伝えします。
- Java SE - 7リリース、8は2013年、9はどうなる
- Java EE - 6の普及とマルチクラウドへの歩み
- JavaFX - 次世代のRIAプラットフォームとなれるか?
- Java ME - JavaFXと融合しAndroid/iOSに対応!?
- Project Avatar - HTML5サポートによる全方位戦略
- コミュニティ - TwitterがOpenJDK/JCPに参加!
- JavaOne Tokyo 2012はどうなる?
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街中にはJavaOneの開催を知らせる広告が、あちらこちらに見掛けられる |
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計4つのホテルで開催されたJavaOne 2011 |
Java SE - 7リリース、8は2013年、9はどうなる
■ Java SE 7リリース
JavaOneからさかのぼること2カ月、7月28日に久々のメジャーバージョンとなるJava SE 7がリリースされました。イベントでは「Project Coin」「Invoke Dynamic」「Fork/Join」といった主要機能を振り返るとともに、「JDK 7 for Mac OS X Developer Preview」のリリースが発表されました。
Mac OS Xはデスクトップ向けOSとしては2番目のシェアを誇り、また近年開発者の強い支持を受けているので、この提供はJava SE 7を生かしたアプリケーション開発を強く推し進めることでしょう。
■ Java SE 8のマイルストーンアップデート
昨年のJavaOneでは次期Java SEのリリースの大幅な遅れが懸念されたため、言語仕様に大きな影響を与える取り組みをJava SE 8へと延期することで早いJava SE 7のリリースを目指すという方向が決定されました。後回しとなった主要なプロジェクトは、ライブラリの依存関係管理をシンプルにする「Jigsaw」と、Javaに関数型言語の味付けをする「Lambda」です。
今年のJavaOneでは、去年決定した通りJigsawとLambdaをJava SE 8で取り込むことをあらためて約束し、関連する技術セッションも多く用意されました。ただし、Java SE 8のリリース予定は当初の2012年から2013年へと延期されました。想定よりも仕様策定に時間がかかっているようです。
なお、開発中のビルドはすでにOpenJDKプロジェクトのサイトよりダウンロードできるので積極的に試してフィードバックしてほしいとのことです。
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「I NEED YOU for JDK Development - Java SE 8には開発者のフィードバックが不可欠!」 |
■ そして、Java SE 9は……
Java SE 9の取り組みはまだ具体化しておらずアイデアをまとめている段階です。ビッグデータの取り扱いやマルチ言語サポートの強化、Java EE 7と歩調を合わせる形でクラウド対応のための機能追加、自動でチューニングしてくれるJVMなどを検討しているそうです。キーワードとしては以下のものが挙がりました。
- Self Tuning JVM Improved Native Integration
- Big Data
- Reification
- Tail Calls / Continuations
- Meta-Object Protocol
- Multi-Tenancy
- Resource Management
- Heterogeneous Compute Models
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Beyond JDK 8 - Java SE 9の目指すところ |
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