続ゼロ円でできるデュアルブート
LinuxとWindows 2000を共存させる
中澤勇
株式会社アットマーク・アイティ
2000/11/14
デュアルブートの設定
Windows 2000とLinuxのインストールが終了したら、デュアルブートのための準備を行う。この時点で、ブートディスクを使えばLinuxも起動できるのでデュアルブート環境といえなくもないが、スマートではない。
■ブートセクタのファイル化
まずLinuxのブートディスクを使ってLinuxを起動する。そして、ブートセクタに書き込んだLILOを、ddコマンドでファイル化する。ddコマンド自体は汎用的なものだが、以下のように使うと通常ではアクセスできないブートセクタも操作できる。
$ dd if=/dev/hda2 of=/mnt/dos/bootsect.lnx
bs=512 count=1 |
■コラム bootsect.dosとは? |
bootsect.dosは、Windows 2000のインストール以前にDOSあるいはWindows 9x/Meが存在する場合に作られるファイルである。これらのOSが存在しない場合は作成されない。 bootsect.dosの正体は、「Cドライブのブートセクタをファイル化したもの」だ。CドライブのブートセクタにOS Loaderを書き込む際に、従来のブートセクタをファイル化してバックアップしているのである。OS LoaderでDOSやWindows 9x/Meを選択すると、このファイルを利用してそれらのOSを起動する。 つまり、ブートセクタをファイル化できればOS Loaderから起動できるということである。 |
「if=」以下は、ブートセクタの位置の指定。この場合は2番目の基本パーティションを指している。「of=」は、ファイル化したブートセクタを書き込む場所とファイル名。上記の例では/mnt/dos/というディレクトリ(Cドライブのルート)にbootsect.lnxというファイル名で書き込む。「bs=512」はファイル化するサイズ。1セクタ=512バイトなので、ブートセクタのみを切り出してくることになる。
ちなみに、ファイル名はbootsect.lnxでなくてもよい。単にWindows 2000が作る「bootsect.dos」(コラム参照)に準じた命名というだけのことである。
■OS Loaderへの登録
bootsect.lnxをCドライブのルートにコピーしたら、次はWindows 2000を起動する。
OS Loaderにbootsect.lnxを登録するには、Cドライブのルートにあるboot.iniを編集する必要がある。ただし、boot.iniはデフォルトでは不可視になっているので、エクスプローラの[ツール]−[フォルダオプション]の[表示]タブで「すべてのファイルとフォルダを表示する」にし、さらに「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示する」をオフにする。警告が出るが無視する。心配ならboot.iniの編集後に再びオンにしておけばよい。
boot.iniは以下のようになっている。
[boot loader] |
このファイルの最後に、
c:\bootsect.lnx="Linux" |
の1行を追加すればよい。これで、OS LoaderからLinuxが起動できるようになった。boot.iniやlilo.confに手を入れればタイムアウトなども変更できる。カスタマイズ方法については下のコラムを参照してほしい。
画面2 Linuxを追加したOS Loader |
■コラム boot.ini | ||||
ここで簡単にboot.iniとlilo.confについて説明しておこう。boot.iniは、[マイコンピュータ]−[プロパティ]にある[詳細]タブの[起動/回復]ボタンを押すと表示される以下の画面でも設定できる。
ここで、デフォルトOSとタイムアウトまでの時間、OS Loader画面の表示/非表示を指定できる。しかし、OSの追加などはboot.iniを手動で編集するしかない。 boot.iniの
がタイムアウトまでの時間。デフォルトは30秒だが、もっと短くてもよいだろう。
はデフォルトOS、つまり何も指定しなかった場合に起動されるOSの指定だ。[operating systems]セクションのWindows 2000のパスと同じく、ここはARC(Advanced RISC Computing)デバイス名で記述する。説明は割愛させていただくが、DOSのパス記述法とは異なるということは知っておいた方がいいだろう。 また、bootsect.lnxを追加した際に「Microsoft Windows」にファイル名がない(本来ならbootsect.dosの指定があるはず)ことに気付いただろうか? OS Loaderでは、ファイル名が省略された場合はCドライブのルートにあるbootsect.dosが使われることになっているのだ。 |
■コラム lilo.conf | ||
LILOの設定を保存しているのが/etcディレクトリにあるlilo.confだ。lilo.confの内容は環境によって異なるが、一例を紹介しよう。
最初の「boot=/dev/hda2」は2番目の基本パーティションから起動する指定。これを「boot=/dev/hda」にしてLILOを更新すると、LILOがMBRに書き込まれる。「timeout」や「default」はboot.iniの場合と同じ。OS Loaderから起動する場合、LILOでOSを選択する必要はないのでtimeoutはゼロにしてもいいだろう。 「image=」はLinux用の指定。これを増やせば複数のカーネルを共存させることもできる。「other=」はLinux以外のOSに使う。上記の例では/dev/hda1(Cドライブ)が指定されている。必要なければ削除してもよい。 なお、lilo.confを編集した後は、必ず
を実行してLILOの更新を行うこと。また、今回のようにOS Loaderを使う場合は、LILOを更新した後にddコマンドでbootsect.lnxを作り直さなければならない。多少面倒ではあるが、頻繁に発生する作業ではないので問題ないだろう。 |
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Index | |
続ゼロ円でできるデュアルブート LinuxとWindows 2000を共存させる |
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1. OS Loaderを使おう | |
2. パーティション構成の検討 | |
3.
Windows 2000とLinuxをインストールする Windows 2000のインストール Linuxのインストール |
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4.
デュアルブートの設定 ブートセクタのファイル化 OS Loaderへの登録 |
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