Windows上にGNU環境を構築するCygwin。これとCygwin用のXFree86を使えばWindowsでXFree86が動くことになる。そこで、今回はCygwinによる「ゼロ円Xサーバ」を構築してみよう。VNCを使う方法については、「WindowsでLinuxをリモート操作」を参照してほしい。
編注:この記事の公開以降もCygwinは発展を続けており、現状と合わない点も多くなりました。そこで、2003年3月時点の最新事情を踏まえた
を用意しました。こちらをご覧ください。
まずはCygwinをご存じない方のために、若干の説明が必要でしょう。Cygwinを一言でいうと、Windowsで動作するUNIX環境です。Windows上でUNIX(Linux)を動かすというと、VMwareなどのPCエミュレータを想像してしまいますが、Cygwinの仕組みはそれらとはまったく異なります。VMwareの場合、仮想PC/AT互換機上にLinuxをインストールするので、そのLinux(ディストリビューション)が持つ機能は、X-TTなど一部の機能を除いてほぼすべてを使用することができます。
それに対して、Cygwinは「GNUの開発ツールをWin32環境に移植する」という目的で始まりました。その手法としてCygwinの開発スタッフ(コラム参照)が取ったのは、単純にUNIXのツール群をWin32 APIに移植するのではなく、移植に必要な機能を持ったDLL(Dynamic Link Library)を開発するというものです。
Cygwinは、もともとCygnus Solutions社が始めたプロジェクトでしたが、Cygnus Solutions社とRed Hatが合併したことにより、現在ではRed Hatが開発・保守を行っています。
Cygwinのバージョンは、根幹となるCygwin DLLのバージョンで表します。原稿執筆時点(2001年8月)でのCygwinの最新版は1.3.2ですが、まだβ版の段階であり、開発は続けられています。また、β版とは別にプレβ版もB19、B20、B20.1といった形でリリースされています。
Cygwin/XFree86は、Windows環境に移植されたXFree86という位置付けのX Window System(以下X)です。名前のとおり、Cygwin上で動作します。Cygwinと同様にCygwin/XFree86も開発中ですが、簡単なインストールと設定により、Xサーバとして使用することができます。
今回は、Cygwin/XFree86を使って、Windows 2000からLinuxサーバにアクセスする方法を紹介します。
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