実験 中古PC活用講座(前編)

3.cfdiskコマンドでパーティション作成


澤谷琢磨/デジタルアドバンテージ
2001/10/13

 Windowsと同様、Linuxでも新しいハードディスクを追加した場合には、まずパーティションを作成する必要がある。Windows 9xではこの際にfdiskコマンドを用いるが、Linuxにも同じ役割をする同名のfdiskというコマンドがある。ただし、Linuxのfdiskコマンドは慣れないと扱いにくいため、fdiskと同様の機能を持ちながら若干使いやすくなっているcfdiskコマンドを用いるほうがよい。

 cfdiskの起動時には、どのデバイスにパーティションを作成するのか指定する必要がある。表に、追加したIDEインターフェイス・カード上に接続したIDEデバイスに割り当てられるデバイス名をまとめた。

プライマリ マスタ /dev/hde
プライマリ スレーブ /dev/hdf
セカンダリ マスタ /dev/hdg
セカンダリ スレーブ /dev/hdh
IDEインターフェイス・カードに接続したIDEデバイスとLinux上のデバイスの対応
「/dev/hd」の後に続くアルファベットが、デバイスごとに異なっていることが分かる。ちなみに/dev/hda〜hddはマザーボード上のIDEインターフェイスにつないだデバイスに割り当てられる。


cfdiskの起動
  日本語を表示できるコンソール(kon)を起動する
  プライマリ・インターフェイスのマスタ・デバイスとしてハードディスクを接続したので、「/dev/hde」を指定してcfdiskを実行する。
 
cfdisk起動画面
  40Gbytesの空き領域が存在することが報告される
  [新規作成]メニューをカーソルで選択し、Enterキーを押す
 
[新規作成]メニューでの表示(新規パーティション作成)
  ここでは[基本領域]を選択し、Enterキーを押す
 
パーティション・サイズ選択
続いてパーティションに割り当てる容量の選択画面が表示される。ここでは1ドライブ=1パーティションとするため、全容量を選択する(デフォルト)。
  デフォルトで空き領域のすべてが選択されるため、そのままEnterキーを押す
 
[書き込み]画面
cfdiskでは、[書き込み]メニューを選択して初めて実際の設定に反映される。
  新たに/dev/hde上に作成したパーティション(デバイス名はhde1)が表示される。サイズとFSタイプ(ファイル・システムの種類のことで、デフォルトはLinux)を確認する
  設定を確認したら[書き込み]を選択し、Enterキーを押す

パーティションのフォーマット

 Windowsと同様、Linuxでも新規ハードディスクにパーティションを作成した後にファイル・システムのフォーマットを必要とする。Windows 9xではFAT32、Windows 2000ではNTFS 2000といったようにデフォルトのファイル・システムが決まっているが、Linuxでは「ext2」と呼ばれるフォーマットが採用されている。Windowsではformatコマンドを使うところだが、Linuxでのフォーマットはmkfsコマンドが担当する。

[root@nas /root]# mkfs -t ext2 /dev/hde1
mkfsコマンドの実行
mkfsコマンドのデフォルト・ファイル・システムはext2だが、念のためオプション(-t ext2)でファイル・システムを指定する。また、フォーマットしたいデバイス「/dev/hde1」を指定する。

■マウント先ディレクトリの作成

 Windowsでは、新たにフォーマットされたパーティションには自動的にドライブ名(C:やD:など)が割り当てられて、ユーザーから利用可能になるが、Linuxは事前に「マウント」という処理を必要とする。Linuxでは「/」から始まるディレクトリ・ツリー上にすべてのファイルが存在する。新たに追加するパーティションも、この「/」から始まるディレクトリ・ツリーのどこかに連ねて、初めてファイル・システムとしてアクセスできるようになる。このマウント処理を担当するのがmountコマンドである。ここでは、マウント先となる空のディレクトリを作成し、実際にマウントできることを確かめる。そして、Windowsネットワークでの共有フォルダとする、Linux上のディレクトリを作成する。

マウント先ディレクトリの作成
  マウント先ディレクトリとして、/mnt.hdeを作成する
  mountコマンドを用いて、先ほど作成したパーティションを示す/dev/hde1デバイスを/mnt.hdeにマウントする。これで、/dev/hde1の内部にファイルの読み書きができるようになる
  マウントが成功した後、「prj」ディレクトリを/mnt.hdeの元に作成する。-mオプションは、アクセス権を変更するためのオプションである
  同じく、「pub」ディレクトリを作成する。「prj」と「pub」をWindowsネットワークの共有フォルダとして公開するよう後ほど設定する

 コマンドでの作業は慣れないと緊張を強いられるが、ここまではどうしてもコマンド・ラインから設定する必要がある。この後はLinuxconfというツールを用いて設定可能になるので、ここは注意深く作業をすすめてほしい。

  関連リンク 
Vine Linuxとは
Samba日本語版の情報ページ
Linuxconfの入手先ENGLISH
 

 INDEX
  [実験]中古PC活用講座
    1.Vine Linux 2.1.5とSamba
    2.Vine Linux 2.1.5をインストールする
  3.cfdiskコマンドでパーティション作成
    4.初期設定はLinuxconfで行う
    5.Sambaの設定はswatから
    6.動作を確認して簡易ファイル・サーバとして運用する
 
「PC Insiderの実験」


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