解説 Intel Xeon搭載サーバの工夫を検証する――「Express5800/120Me」に見る最新ワークグループ・サーバのハードウェア―― 3. 高密度実装で標準規格対応のマザーボード デジタルアドバンテージ |
次は、サーバの中核といえるマザーボードを見てみよう。本機に搭載されているマザーボードは、サーバのフォーム・ファクタ標準規格「SSI(Server System Infrastructure)」に含まれる「SSI Specifications for Entry Server Rev.3.0」に対応したものだ(SSI initiativeのホームページ)。IAサーバで国内最大手の日本電気がこうした標準規格を採用しているということは、少なくともワークグループ・サーバにおいて、こうした標準規格がベンダ独自の仕様に取って代わっていくことを暗示しているように思える。
大型で密度の高いマザーボード (拡大表示:94Kbytes) | |||||||||||||||||||||
主要な機能はマザーボードに集約されており、RAIDを必要としない限り、特に拡張カードを必要としない。それゆえ、330×288mmという大型の割にマザーボードの部品実装密度は高い。 | |||||||||||||||||||||
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合計6本のPCIスロット | |||||||||
このクラスのサーバとして、拡張スロットが6本というのは少なく思えるかもしれない。しかしマザーボード上に多数のI/Oデバイスが標準装備されていることを考慮すると、十分なスロット数といえるだろう。PCIバスは3系統あり、がそれぞれ別々の系統に接続されている。なお、に見えるホコリ防止のコネクタ・カバーは、全スロットにも装着されていた。 | |||||||||
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システム管理用コントローラ「BMC(Baseboard Management Controller)」 |
組み込み向けプロセッサで知られるARMプロセッサを内蔵するシステム管理用コントローラ。このコントローラは、システムにとって非常に重大なハードウェア・エラーを常時監視して、OSなどに通知する役割を持っている。具体的には、電源ユニットからの供給電圧や冷却ファンの回転数、プロセッサを含む各種パーツの温度、SCSIターミネータの電源電圧などが挙げられる。たとえ本体の電源がオフでも、コンセントからの電源コードが電源ユニットに接続されているかぎり、BMCには電力が供給され、監視が継続される。つまりBMCは、OSなど上位ソフトウェアとは独立した管理システムを司っているわけだ。 |
サーバ専用チップセット「GrandChampion LE」 | |
これはServerWorks(Broadcomのサーバ・チップセット部門)によるIntel Xeon対応チップセット。左がCMIC-LE(Champion Memory and I/O Controller)と呼ばれるチップで、主にプロセッサ・バスとメイン・メモリを制御している。最大2基のプロセッサと100MHz×2倍クロックのDDR SDRAMをサポートする。右はCSB5(Champion South Bridge 5)と呼ばれるチップで、IDEやUSBなど各種I/Oデバイスが集積されたサウスブリッジの役割を担っている。このほかに、主にPCIバスを制御する(CIOB-X2)Champion I/O Bridgeも装備されている。 |
2個のイーサネット・コントローラ | ||||||
このようにマザーボード上には、2基のイーサネット・コントローラが標準装備されている。は広帯域の高速通信用、はインターネット接続など低速回線向け、およびシステム管理用やバックアップ回線として、それぞれ利用される。 | ||||||
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従来のPentium III/Pentium III Xeon(2プロセッサ版)搭載サーバに比べると、プロセッサとチップセット以外にも、さまざまな変化が見受けられる。1つは、メイン・メモリがSDRAMから、より高速なDDR SDRAMに移行している点だ。また拡張スロットには従来のPCIに対して、高速なPCI-Xが追加されている。イーサネットは、ギガビット対応が標準になってきた。このように、I/Oにおいてもプロセッサと同様に高速化が進んでいることが分かる。
次のページでは、SCSI RAIDコントローラやリモート管理機能など、サーバの付加機能をチェックし、さらにワークグループ・サーバの選択について考察してみる。
関連リンク | |
Express5800/120Meの製品情報ページ | |
サーバ関連のフォーム・ファクタを規定している団体 | |
GrandChampion LEの製品情報ページ | |
82544GCの製品情報ページ | |
82550の製品情報ページ |
INDEX | ||
Intel Xeon搭載サーバの工夫を検証する | ||
1.やや大きめだがメンテナンスのしやすいケース | ||
2.工夫が見られる冷却ファンでの排熱の仕組み | ||
3.高密度実装で標準規格対応のマザーボード | ||
4.Intel Xeonサーバか、Pentium III-Sサーバか? | ||
「System Insiderの解説」 |
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