解説 Intel Xeon搭載サーバの工夫を検証する――「Express5800/120Me」に見る最新ワークグループ・サーバのハードウェア―― 1. やや大きめだがメンテナンスのしやすいケース デジタルアドバンテージ |
「特集:基礎から学ぶIAサーバ 2002年度版」で述べたように、2002年はIAサーバのハードウェアが大きく変わる年である。特にプロセッサは、P6マイクロアーキテクチャ(Pentium III系)からNetBurstマイクロアーキテクチャ(Pentium 4系)へと移行し始めている。ワークグループ・サーバを例に挙げれば、Pentium IIIあるいはPentium III Xeon(2プロセッサ対応版)から、次第にIntel Xeonへと変わりつつあるのが現状だ。
NetBurstマイクロアーキテクチャを採用した初めてのプロセッサであるPentium 4が発表されたのは、2000年11月21日のこと。すでに2年近くが経ち、デスクトップPCではすでにPentium III系からPentium 4系への移行が完了しつつある。しかし、サーバ向けとしてIntel Xeonが発表されたのは、2002年2月26日と半年前のことでしかない(Intel Xeonはワークステーション向けとしては2001年5月21日に発表されている)。これは、サーバ向けのチップセット開発が大幅に遅れたためである。つまり、サーバのNetBurstマイクロアーキテクチャへの移行は、やっと始まったばかりという状態なのだ。そこで、今回はIntel Xeon搭載サーバを取り上げ、そのハードウェア構成を調べてみたいと思う。サーバ導入の参考にしていただきたい。
評価したExpress5800/120Meの構成
日本電気のExpress5800/120Me (拡大表示:56Kbytes) |
早い時期に発表されたIntel Xeon搭載サーバの1つ。その後、ラックマウント型も発表された。なお、本機もオプションでラックマウントにできる。 |
このところ多くの大手IAサーバ・ベンダが、Intel Xeonを搭載したIAサーバをラインアップに加え始めている。その中でも発表/出荷が早かったのは日本電気だ。本稿で取り上げる「Express5800/120Me」は、2002年4月に発表され、6月に出荷開始されたペデスタル(タワー)型IAサーバである(Express5800/120Meの製品情報ページ)。
日本電気が擁するペデスタル型IAサーバのラインアップの中で、本機は2ウェイ(2プロセッサ)構成のワークグループ・サーバでは最上位機種となる(その下はPentium III-S、逆に上はIntel Xeon MP×4ウェイ構成だ)。また本機自体には、Intel Xeon-2.40GHz搭載モデルと1.80GHz搭載モデル、それにハードディスクを加えてWindows 2000 ServerをプレインストールしたExpressSelectionPackモデルという、合計3モデルが存在する。本稿では、2.40GHzモデルに増設メモリ(合計4Gbytes)やSCSI RAIDコントローラ、5台のハイエンドSCSIハードディスクが追加された評価機を試用した。
パーツ交換の容易な本体ケース
まずは、本体ケースから見ていくことにしよう。フロント全体を覆っているカバー(フロント・ドア)を鍵で開けると、以下の写真のようにドライブ・ベイなどが露出する。
多数のドライブ・ベイが並ぶフロント・パネル (拡大表示:56Kbytes) | ||||||||||||
これはフロント・パネルを覆うカバーを開いたところ。との部分に装着されていたブラケット・カバーは、取り外して撮影している。 | ||||||||||||
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一方、バック・パネルは一見すると、ATXフォーム・ファクタに対応するデスクトップPCとよく似た部品配置になっている。しかし、細部を見ると、サーバらしい仕様が随所に表れている。
耐障害機能のための装備が目に付くバック・パネル (拡大表示:58Kbytes) | ||||||||||||
これは電源ユニット1台と冷却ファン1基を、それぞれ半分取り外したところ。の電源ユニットやその下のI/Oパネル、拡張スロット(の左隣)の配置は、ミドルタワー型デスクトップPCとほぼ同じだ。 | ||||||||||||
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上の写真のとおり、個々の電源ユニットは薄型なので、風通しがあまり良くないように見える。しかし実際に稼働させたところ、ケース内部に配置された冷却ファンにより、電源ユニットの排気口から暖かい空気が流れ出ていた。排熱については、問題はないだろう。
ケース内部にアクセスするには、2本のネジを手ではずして、側板を取り除く必要がある。
比較的見通しの良いケース内部 (拡大表示:89Kbytes) |
これは、本体ケース左側の側板を取り外し、さらにダクト・カバー(詳細は次ページ参照)も外したところ。右側がフロント・パネル側で、銀色のドライブ・ベイが見える。その左脇には、冷却ファン3基とマザーボードが並ぶ。その上側に見えるのは電源ブロックで、これはまるごと取り外し可能だ。マザーボード上には、SCSIケーブルが少し被っているものの、メモリやプロセッサへは速やかにアクセスできる。 |
こうしてみると、ケース全体の奥行きが比較的長く感じられる(675mm)。これは、ケースを横向きにして19インチ・ラックに装着できるように、高さを制限している分、奥行きを長めにして容積を稼いでいるように見える。設置時には、バック・パネルの排気スペース(150mm)も含めて奥行きを十分に取るよう気を付けたい。
次のページでは、ケース内部の冷却システムに注目してみる。
関連記事 | |
基礎から学ぶIAサーバ 2002年度版 | |
IAサーバ製品カタログ 日本電気 |
関連リンク | |
Express5800/120Meの製品情報ページ |
INDEX | ||
Intel Xeon搭載サーバの工夫を検証する | ||
1.やや大きめだがメンテナンスのしやすいケース | ||
2.工夫が見られる冷却ファンでの排熱の仕組み | ||
3.高密度実装で標準規格対応のマザーボード | ||
4.Intel Xeonサーバか、Pentium III-Sサーバか? | ||
「System Insiderの解説」 |
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