AGP |
AGPとは「Accelerated Graphics Port」の略で、グラフィックス・カード専用の拡張インターフェイス規格である。最初の規格であるAGP1.0から最新のAGP3.0までの間に、スロットや拡張カード側のコネクタの形状(誤挿入防止キー/スリット)が変化しているので、取り扱いには注意が必要だ。2002年9月時点で、以下の3種類のAGPスロットが存在する。 |
■1.5V用キーが付いているスロット
これはAGP2.0や最新のAGP3.0に対応したスロット。電気信号の振幅電圧が1.5Vまたは0.8VのAGPカードに対応する。3.3Vのみに対応するカードは、端子部分にある誤挿入防止キー(でっぱり)により、物理的に装着できない。速度は、AGP2.0対応なら4倍速(AGP4X)まで、AGP3.0対応なら8倍速(AGP8X)までサポートする。スロット形状だけでは、1.5Vと0.8Vのどちら(あるいは両方)に対応しているのか区別できないので要注意だ。 |
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■キーが付いていないスロット
これはユニバーサルとも呼ばれるタイプのAGPスロット/カード。AGP2.0対応なら3.3V/1.5Vに、またAGP3.0対応なら3.3V/1.5V/0.8Vに対応する。速度も、AGP2.0対応なら4倍速(AGP4X)まで、AGP3.0対応なら8倍速(AGP8X)までサポートする。現在は、次第に1.5V用キーが付いたスロットへと移行している。 |
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■3.3V用キーが付いているスロット
これは3.3Vのみに対応した初期のAGPスロット/カード。規格としてはAGP1.0またはAGP2.0に該当し、速度は2倍速(AGP2X)までサポートする。サポートしていない1.5V対応カードが間違って装着されないように、誤挿入防止キー(でっぱり)がスロット側に組み込まれている。 |
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AGP Pro |
ワークステーション向けの高速・高機能なグラフィックス・カードをサポートするAGPスロット。通常のAGPカードも装着できる。より大きな消費電力にも耐えられるように、通常のAGPスロットに比べて電力供給ピンが増えているのが特徴だ。写真のスロットは、3.3Vと1.5Vの電気信号に対応するユニバーサル・タイプである。 |
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32bit PCI |
PCIとは「Peripheral
Component Interconnect」の略で、現在PCで主流の汎用拡張バス・スロットだ。PCIでは、電気信号の振幅電圧として5Vと3.3Vの2種類が規定されている。写真のスロットは32bitバス/5V振幅に対応しており、5V専用または3.3V/5V両用(ユニバーサル・タイプ)の32bit PCIカードを装着できる(64bit PCIカードでも、32bit PCIスロットで利用できるものがある)。3.3V用スロットも規定されているが、ほとんどのPCは5V用スロットを装備している。拡張カードの方は、当初は写真上の5V専用タイプばかりだったが、最近は写真下の3.3V/5V両用のユニバーサル・タイプが主流だ。 |
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64bit PCI |
バス幅を64bitに広げたPCIスロット。サーバやワークステーションなど、より高速なI/Oを必要とするPCに実装されている。写真のスロットは、3.3V振幅の電気信号に対応したもの。5V用スロットも規定されているが、バス・クロック周波数が最大33MHzまでに制限されるため、あまり普及していない(3.3V用スロットなら最大66MHzまでサポート可能)。なお、PCI-Xもこれと同じ形状のスロットを用いる。 |
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CNR |
CNRとは「Communication
and Network Riser」の略で、ネットワークやサウンド、USB、モデムなどに特化したスロットである。AMRの後継として登場した。CNRは、基本的にPCベンダがオプション機能を安価にPCに装備するための仕組みである。そのため、CNRカードがエンド・ユーザー向けに市販される機会は、非常に少ない。 |
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AMR |
AMRとは「Audio/Modem Riser」の略で、サウンドやモデムのアナログ回路を搭載したカードを装着するスロット。AMR対応サウンド・カードやモデム・カードは存在するが、CNRと同様、エンド・ユーザーには直接販売されないことが多い。すでにCNRによって代替されており、AMRスロットを搭載するPCは少なくなってきている。 |
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VL-Bus |
VL-Busとは「VESA Local Bus」の略で、主にグラフィックスの性能を高めるために策定されたローカルバスの1種。ISAまたはEISAスロットの延長線上に配置されるため、そのスロット部分にはISA/EISAカードでもVL-Busカードでも装着できる柔軟性があった。その半面、VL-Busカードの全長は25cm以上と非常に長くなり、装着作業も難しかった。i486プロセッサの時代にPCIが普及するまで、よく採用されていた。 |
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EISA |
EISAとは「Extended ISA」の略で、その名のとおりISAをベースに性能や機能を高めた拡張バス・スロット。ISAに比べて、データ・バス幅は2倍の32bitになっている。ISAとは互換性があり、EISAスロットにISAカードを装着できる。EISAは1990年代前半、PCサーバなど高性能なPCを中心に実装された。ベンダ独自の仕様拡張も行われたが、次第にPCIに置き換わっていった。 |
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ISA |
ISAとは「Industrial
Standard Architecture」の略で、古くからPCの拡張性を支えてきた標準の拡張バス・スロットである。ATバスとも呼ばれることがある。いまとなっては非常に低速なバスであり、レガシー・デバイスとして扱われている。特殊な用途を除けば、現在のPCには実装されなくなっている。 |
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XTバス |
8bits幅のデータ・バスを持つ拡張バス・スロット。ISAスロットをキーの部分で二分した場合、ブラケット側のスロットがちょうどXTバスに相当する。割り込み要求(IRQ)の数はISAの半分程度しかない。現在では、ISA以上に見かけることが少なくなった古いタイプの拡張バス・スロットである。 |
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