Windows .NET Serverベータ3の概要(2) デジタルアドバンテージ2002/01/18 |
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4つのバージョンがあるWindows .NET Server製品ファミリ
従来のWindows 2000 Serverの製品と比べると、.NET Serverでは新しいバージョンが1つ追加されている。従来のServer製品には、Windows 2000 Server、Windows 2000 Advanced Server、Windows 2000 Datacenter Serverの3つがあったが、.NET Serverでは、Windows .NET Web Server、Windows .NET Standard Server、Windows .NET Enterprise Server、Windows .NET Datacenter Serverの4種類のバージョンがある。後の3つは従来製品の後継であるが、最初の「Windows .NET Web Server」は、Webサービスのプラットフォームとしての使用や、Webサイトのホスティングだけに特化した新しいバージョンであり、標準的なサーバ製品(Windows .NET Standard Server)と比べると、より下位に位置付けられる製品である。Webサーバとはあまり関係のないさまざまなサービス(高度なネットワーク機能やマルチメディア機能など)を削除することにより、セキュリティ的にも安全性が高くなっているのが特徴である。
以下に各バージョンの簡単な機能をまとめておく。
■Windows .NET Web Server
Webサービスのプラットフォームや、WWWやFTPなどのインターネット向けサーバとしての機能に特化した、軽量なバージョンのWindows Serverである。Web専用サーバのような用途に向けて用意されている。従来のWindows 2000 Serverよりも機能的に限定されている分、必要となるリソースなどが少なくて済むし、セキュリティ的にも(不要なモジュールなどが含まれなくなるので)安全性が高くなる。製品の価格などはまだ発表されていないが、最終的には現状のServer版よりも安価になるだろう。最近はやりの単機能のアプライアンス・サーバ(およびLinux+Apacheというソフトウェアの組み合わせ)を意識したバージョンのようである。
英語版のベータ3をインストールしてみたところ、メディア・プレーヤのような、Webサーバでは不要なアプリケーションなどはインストールされていなかった(手動でもインストールすることはできないようだ)。また、Macintoshファイル・サービスやIAS(インターネット接続のための統合認証サービス)やICS(インターネット接続共有サービス)、ICF(インターネット接続のためのファイアウォール・サービス)のような、Webサーバとは関係のないサービスなども含まれていない。Webサーバや.NET Frameworkを使ったWebベースの情報サービス用途に特化されたバージョンといえる(Windows .NET Standard Serverと同じ機能を、安価に入手できるバージョンというわけではない。あくまでもこの2つは別の用途に向けて作られている)。
■Windows .NET Standard Server
従来のWindows 2000 Serverに相当するバージョンであり、SOHOやビジネス向けのエントリ・サーバとしての位置付けられる製品である。単純なワークグループ構成での利用から、Active Directoryドメインを構築しての大規模なネットワークまでカバーするサーバ製品である。従来のWindows 2000 Serverと比べても、さまざまな機能拡張やパフォーマンスの改善が図られている。
■Windows .NET Enterprise Server
これは、非常に大規模な構成のネットワークや、スケーラビリティなどが必要な場面で使うためのサーバ製品である。クラスタリングや、2CPUを超える大規模なシステムで使われることになる。
■Windows .NET Datacenter Server
Enterpriseサーバよりもさらに大規模なシステムで使われるOSであり、データセンタなどにおけるアプリケーション実行環境として用意されている。
各バージョンにおける機能の差異を次の表にまとめておく。
機能 | Web Server | Standard Server | Enterprise Server | Datacenter Server |
クラスタリング | ||||
ネットワーク・ロードバランシング | ○ | ○ | ○ | ○ |
フェイルオーバー・クラスタリング | ― | ― | ○ | ○ |
ネットワーク機能 | ||||
VPNサポート | △(クライアント機能のみ) | ○ | ○ | ○ |
SIP(Session Initiate Protocol Service。Messengerなどで使用されている通信プロトコル) | ― | ○ | ○ | ○ |
IAS(インターネット接続のための認証システム) | ― | ○ | ○ | ○ |
ICS(インターネット接続共有) | ― | ○ | ○ | ― |
ICF(インターネット接続ファイアウォール) | ― | ○ | ○ | ― |
ディレクトリ・サービス | ||||
Active Directoryサーバ機能 | ― | ○ | ○ | ○ |
ファイル共有サービス | ||||
DFS(分散ファイル・システム)/EFS(暗号化ファイル・システム) | ○ | ○ | ○ | ○ |
SharePoint Team Service(グループウェア) | ― | ○ | ○ | ○ |
Faxサービス | ― | ○ | ○ | ○ |
Macintoshファイル・サービス機能 | ― | ○ | ○ | ○ |
Windows Mediaサービス | ― | ○ | ○ | ― |
ターミナル・サービス | ||||
管理用コンソール | ○ | ○ | ○ | ○ |
ターミナル・サーバ | ― | ○ | ○ | ○ |
Webサービス・サポート | ||||
.NETフレームワーク | ○ | ○ | ○ | ○ |
IIS 6.0 | ○ | ○ | ○ | ○ |
ASP .NET | ○ | ○ | ○ | ○ |
その他の機能 | ||||
64bit Itaniumサポート | ― | ○ | ○ | ○ |
メモリのHot Add(動的なメモリの追加。ただしハードウェアのサポートが必要) | ― | ― | ○ | ○ |
NUMA(Non-Uniform Memory Access) | ― | ― | ○ | ○ |
データセンタ・サポート・プログラム | ― | ― | ― | ○ |
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Windows .NET Server各バージョンの機能比較 |
Windows .NET Serverの動作環境
Windows .NET Serverの各製品別の動作環境についても以下にまとめておく。Web Server版の動作条件も上位のStandard Server版とほぼ同じであるが、最大サポートRAMサイズが2Gbytesまでとなっており、この点だけがやや制限されている(Standard Serverや従来のWindows 2000 Serverでは4Gbytesまで利用可能)。
必要条件 | Web Server | Standard Server | Enterprise Server | Datacenter Server |
最低CPU速度 | 133MHz | 133MHz | 133MHz(x86) /733MHz (Itanium) |
400MHz(x86) /733MHz (Itanium) |
推奨CPU速度 | 550MHz | 550MHz | 733MHz | 733MHz |
最小RAM容量 | 128Mbytes | 128Mbytes | 128Mbytes | 512Mbytes |
推奨最低RAM容量 | 256Mbytes | 256Mbytes | 256Mbytes | 1Gbytes |
最大RAM容量 | 2Gbytes | 4Gbytes | 32Gbytes(x86) /64Gbytes (Itanium) |
64Gbytes(x86) /128Gbytes (Itanium) |
マルチプロセッサCPU数 | 1もしくは2CPU | 1もしくは2CPU | 1CPU〜8CPU | 8CPU〜32CPU |
最低ディスク必要量 | 1.5Gbytes | 1.5Gbytes | 1.5Gbytes(x86) /2.0Gbytes (Itanium) |
1.5Gbytes(x86) /2.0Gbytes (Itanium) |
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Windows .NET Serverベータ3の必要環境 | ||||
Windows .NET Serverを実行するために必要なシステムの要件。この値は最終的な製品版では変更されることがある。 |
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INDEX | ||
Insider's Eye | ||
Windows .NET Serverベータ3の概要(1) | ||
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Windows .NET Serverベータ3の概要(2) | |
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「Insider's Eye」 |
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