運用
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Community Serverのインストール方法
Community Serverをインストールするにあたっては、あらかじめ以下のソフトウェアをサーバ環境上に導入しておく必要がある。誌面の都合上、本稿ではこれらの手順については割愛させていただくが、詳細を知りたい方は、著者サイト「サーバサイド技術の学び舎 - WINGS」より、「サーバサイド環境構築設定」などを参照いただきたい。
- Microsoft .NET Framework 1.1
- Internet Information Services 5.x以降
- SQL Server 2000(MSDE)
1.インストール・ファイルを入手する
Community Serverをダウンロードするには、まず以下のサイトからユーザー登録を行う必要がある。
http://www.telligentsystems.com/Solutions/license.aspx?File=cs_1.0.exe |
ユーザー登録が完了すると、数分ほどで、折り返し登録完了メールが届くので、メールに記載されたURLにアクセスしてみよう。インストール・ファイル「cs_1.0.zip」をダウンロードできる。cs_1.0.zipは、任意のフォルダ(本稿では「d:\」)に展開するものとする。
2.データベースを作成する
Community Serverは、SQL Server上でデータの管理を行う。
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手軽にサイトを開設したいということであれば、無償のMSDE(Microsoft SQL Server Desktop Engine)を利用することも可能である。MSDEは、SQL Serverとほぼ同等のデータベース・エンジン機能を提供するソフトウェアだ。MSDEならば、Windowsライセンスさえ所有していれば、後は追加費用なしにサイトを構築できてしまう。ただし、MSDEには以下の制約もあるので、注意していただきたい。
- データ・サイズは2Gbytes以内
- 同時接続数は5ユーザー以内
- 同時スレッドは5個以内
よりスケーラブルな環境が必要になった場合にも、心配は要らない。昨今では、SQL Server 2000 Workgroup Edition(従来のStandard EditionとMSDEとの中間に位置付けられるエディション)が廉価で提供されており、Community Serverや(後編でご紹介する)Dot Net Nukeのデータ・ストアとして利用するレベルならば、十分に事足りるはずだ。
さて、ここではSQL Server(または、MSDE)に対して、あらかじめデータベースを作成しておく必要がある。データベース名は自由に決めて構わないが、本稿では「CommunityServer」としておこう。
データベースの作成には、osqlコマンド(コマンド・ラインベースのデータベース管理ツール)から、以下のようなコマンドを入力すればよいだけだ。
> osql -h(local) -Usa |
3.仮想ディレクトリを設定する
続いてステップ1でダウンロードしたcs_1.0.zipを展開しよう。解凍に成功すると、以下のようなフォルダが作成される。
Community Serverのフォルダ構成 |
「/CS_1/Web」フォルダが、Community Serverの本体である。本稿では、この「/CS_1/Web」フォルダに対して、以下の要領でIISの仮想ディレクトリを設定する。もちろん、エイリアスやディレクトリなどの設定は、適宜、環境に応じて変更いただきたい。
項目 | 概要 | 設定値 |
エイリアス | 仮想ディレクトリを呼び出す名前 | cs |
ディレクトリ | 仮想ディレクトリに関連付ける物理パス | D:\CS_1\Web |
読み取り | ファイルの読み込みを許可 |
○
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ASP等のスクリプトを実行する | スクリプトの実行を許可 |
○
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ISAPIアプリケーションやCGI等を実行する | 「.dll」「.exe」ファイルの実行を許可 |
×
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書き込み | ファイルの書き込みを許可 |
×
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参照 | ファイル一覧の参照を許可 |
×
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Community Serverを利用するための仮想ディレクトリ設定(例) |
4.インストール・ウィザードを起動する
悪意の有無にかかわらず、エンド・ユーザーが自由にインストール・ウィザードを起動できてしまうのは、セキュリティの観点からも好ましくない。そのため、Community Serverでは、デフォルトでインストーラ機能が無効に設定されている。インストール・ウィザードを起動するには、インストーラをあらかじめ有効化しておく必要がある。
設定の変更は簡単だ。テキスト・エディタから「/CS_1/Web/Installer/default.aspx」を開き、15行目付近の1行を以下のように書き換えるだけでよい。
[変更前] |
ファイルを上書き保存した上で、ブラウザ上から以下のURLにアクセスしてみよう。自動的にインストール・ウィザードが起動するはずだ。
http://localhost/cs/Installer/ |
途中、いくつか入力/選択項目が登場するが、以下表の要領で入力すること。もちろん、ユーザー名やパスワード、URLなどの設定は、適宜、環境に応じて変更いただきたい。
画面 | 項目 | 設定値(例) |
Community Server Database Login | IP address or Server Name | (local) |
Windows Authentication/SQL Server Authentication | SQL Server Authentication | |
Username | sa | |
Password | sa | |
Select Database Instance | Available Database | CommunityServer |
Choose Installation Options | 各項目 | (すべてチェック) |
Create new Community | Community Url | localhost/cs |
Username | admin | |
Password | admin | |
Community Serverインストール時の設定(例) |
すべての設定が完了した後、[Create new Community]画面で[Next]ボタンをクリックすると、インストールが開始される。環境にもよるが、インストールにはおよそ数分掛かるはずだ。インストール完了後、[Complete!]画面が表示されれば成功だ。
インストール後は、再度、「/CS_1/Web/Installer/default.aspx」を編集し、インストーラを無効にする。「/CS_1/Web/Installer」フォルダをフォルダごと削除してもかまわない。
[注意] | |
仮想ディレクトリに書き込み権限が認められていない場合、インストール時にweb.configの更新に失敗する。その場合には、[Complete!]画面でweb.configを手動で書き換えるよう指示されるので、別途、web.configの編集を行う必要がある。「/CS_1/Web/web.config」をテキスト・エディタで開き、16行目付近を以下のように書き換えていただきたい(太字の部分は、画面の表示に従って適宜読み替えること)。
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インストール後は、「/CS_1/Web/blogs」「/CS_1/Web/photos」の両フォルダ上で、[Network Service]ユーザー(あるいは[ASPNET]ユーザー)に対して書き込み権限を付与する必要がある。書き込み権限は、画像のアップロードやブログ/フォト・ギャラリーの新設を行う場合に必要となるものだ。セキュリティ権限の変更は、エクスプローラの該当フォルダからプロパティ・シートを開き、[セキュリティ]タブから行うことができる。
5.Community Serverを日本語化する
以上で、Community Serverのインストールは完了だ。もちろん、このままでもCommunity Serverの機能を利用できるが、Community Serverはデフォルト状態で英語環境に設定されている。エンド・ユーザーの使い勝手を考慮すれば、多くの場合は、日本語を表示するための環境設定を行っておくのが好ましい。日本語化には、以下の2つの手順が必要となる。
5-1.communityserver.configを編集する
communityserver.configは、Community Serverの主要な設定を記述した設定ファイルだ。ここでは、communityserver.configをテキスト・エディタで開き、60行目付近のdefaultLanguage属性(<Core>要素)を修正しておこう。
[変更前] |
5-2.日本語リソースを該当のフォルダに展開する
Community Serverのデフォルトのパッケージには日本語リソースが含まれているので、ステップ5-1の手順だけでもそれなりに日本語環境は実現できる。しかし、ローカライズが不十分であることから、本格的に使い込んでいくには何かと不便も多いはずだ。そこで、本稿では、原水真一氏が提供する「日本語化リソース」、猪又俊哉氏が提供する「日本語イメージボタン」を採用する。ダウンロードしたリソースを、以下の要領で該当のフォルダに展開してほしい。
名称 | ダウンロード先 | 展開先 |
日本語リソース | http://www.haramizu.com/ Downloads/CommunityServer/ tabid/58/Default.aspx |
「/CS_1/Web」フォルダ(「ja-JP」フォルダの中身をコピー) |
日本語イメージボタン | http://www.sagetechnology.com/ Default.aspx?tabid=167 |
「/CS_1/Web/Themes/default/images」フォルダ |
日本語リソースの入手先と展開先 |
6.Community Serverの動作を確認する
それでは早速、Community Serverの動作をブラウザから確認してみよう。Community Serverのトップページには、以下のURLからアクセス可能だ。
http://localhost/cs/ |
以下のような画面が表示されれば成功だ。なお、現時点で公開されている日本語リソースで日本語化されるのは、あくまでメニューやボタンだけで、トップ・ページの文章などは英語のままである点に注意していただきたい。
Community Serverのトップ・ページ |
日本語リソースで日本語化できるのは、メニューやボタンだけであり、すべてのドキュメントが日本語化されるわけではない。 |
右上の[ログイン]リンクから管理者権限でログインしてみよう。管理者ユーザーのユーザー名/パスワードは、上記ステップ4で設定したものを入力すること(本稿の例では「admin/admin」)。
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