運用Windows 2000 Service Pack 1日本語版がついに登場4.SP1のインストール(2)デジタルアドバンテージ |
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SP1適用済みのWindows 2000の新規インストール(統合インストール)
これはWindows 2000のSP1から新しく導入されたインストール方法であり、Windows 2000のインストールとSP1の適用を同時に行うことができる。従来のService Packは、すでにインストールが完了して稼動中のWindows NTシステムに適用するものであったが、この新しいインストール方法を使うと、システムのインストールとSP1の適用を同時に行うことができるのである。過去にも、Windows NT 4.0では、あらかじめService Pack 1が統合された形式で提供されていたが、これは単にService Packの提供時期の関係で(日本語版Windows NT 4.0は、英語版のNT 4.0 SP1のリリース後に出荷が開始されたため)、あらかじめマイクロソフト側で両者を統合して提供していたにすぎない。SP2以降はすべて自分で適用作業を行わねばならず、システムをインストールし直す場合は、まずNT4.0(+SP1)をインストールしてから、次に目的のService Packを適用するという、2段階の作業が必要だった。この方式は、煩雑であるだけでなく、さまざまな問題も含んでいた。たとえばNT 4.0では、SP4以降(に含まれるディスクのデバイス ドライバ)でなければ8GBytes以上のIDEディスクに対応していなかったが、インストール時にはSP4のデバイス ドライバが利用できないので、このような大容量のディスクを使うためには、いくつかの面倒な手法が必要であった(SP4から目的のデバイス ドライバだけを取り出して、NT 4.0のインストール時に強制的にロードさせる、など)。
Windows 2000のService Packでは、このような問題や煩雑さを避けるため、あらかじめWindows 2000のインストール イメージにService Packを結合(統合)しておいて、それを使ってインストールを始めることができる(新規インストールだけでなく、アップグレード インストールも可能)。具体的には、Windows 2000のCD-ROMからオリジナルのファイルをすべてディスク上にコピーしておき、さらにSP1を統合モードにして上書きインストールする。これにより、もともとの\I386フォルダにあった古いファイルがSP1のもので置き換えられることになる(たとえばWindows 2000 Professional版なら、全5500ファイルのうち、約600ファイルが更新される)。
更新の手順は以下のようになる。まずWindows 2000のCD-ROMから\I386ディレクトリ以下をハードディスク上にコピーする。次にSP1のUPDATE.EXE(もしくはSP1NETWORK.EXE)に「-s:<フォルダ>」オプションを付けて実行すればよい。たとえばD:ドライブにWindows 2000 ProfessionalのCD-ROMが、E:ドライブにSP1のCD-ROMがあるとすると、以下のようになる(作成するフォルダ名はc:\win2kpro.imgとする)。
C:\>mkdir c:\win2kpro.img\i386 |
この後、c:\win2kpro.img\i386にあるWINNT.EXEかWINNT32.EXEを起動すれば、通常のWindows 2000(SP1対応済みのWindows 2000)のインストールが行われる。
ただしこの方法で作ったインストール イメージは、残念ながらCD-ROMの自動起動には対応できないので(Windows 2000のインストールCD-ROMのように自動ブートさせるためには特別なブートコードが必要なので、簡単に作成することはできない)、まずフロッピーを使ってMS-DOSを起動するか、Windows 9x/Windows NTを起動して、そこからWINNT.EXEもしくはWINNT32.EXEを実行することになる(SP1適用済みパッケージを使った、Windows 2000やWindows Meからのアップグレード インストールはサポートされていない。これらの新しいOSの場合は、新規インストールのみが可能)。
そのほかのSP1のインストール方法
以上のようなインストール方法のほかにも、SP1およびSP1適用済みWindows 2000システムをインストールする方法はいくつかある。これを簡単に紹介しておく。
■SMSを使ったSP1の自動配布
SMS(Systems Management Server)はソフトウェアの自動配布などに使われる管理ツールであるが、これを使ってService Packを配布し、自動適用させることができる。CD-ROMのD:\SUPPORT\TOOLSフォルダには、SMSで配布するパッケージのための定義ファイルW2KSP1.SMSが用意されている。このファイルと\I386ディレクトリ以下のSP1ファイル イメージを組み合わせてSMSサーバに登録しておくと、自動的にクライアント側に配布して、更新作業が実行される(この動作は、実質的には、UPDATE.EXEを自動的に起動しているだけである)。
■リモート インストール サービスを使ったインストール
Windows 2000 Serverには、「リモート インストール サービス」と呼ばれる、クライアントOSの自動的なインストール機能が用意されている(現在のところ、Windows 2000 Professionalのインストールしかサポートされていない)。これを使って、SP1を適用済みのWindows 2000 Professionalを自動的にインストールすることもできる。ただしこのサービスを利用するためには、PXE(Pre-Boot eXecution Environment)機能を持ったリモート ブート対応マシンであるか、リモート インストール サービスでサポートされたネットワーク カードを備えたマシンである必要がある(この場合は、特別なブート用フロッピーを使ってリモート ブートする)。このようなクライアント マシンをネットワークに接続して起動すると、DHCPプロトコルを使って自動的にリモート インストールのサーバを検出し、そこからWindows 2000 Professional用のインストール イメージをダウンロードして、インストール作業を行うことができる。
このインストール方法を利用するためには、まずWindows 2000 Server側にリモート インストール サービスをインストールし、さらにSP1を適用したWindows 2000 Professionalのインストール イメージをサーバ側に用意しておく。PXEクライアントが起動すると、DHCPサービスでリモート インストール サービスを検索し、プログラム イメージをダウンロードしてインストール作業が行われる。
関連リンク | |
マイクロソフト
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Windows 2000 Service Pack 1ダウンロード ページ |
INDEX | ||
[運用]Windows 2000 Service Pack 1日本語版がついに登場 | ||
1.Windows 2000 Service Pack 1とは? | ||
2.Service Pack 1の入手方法 | ||
3.SP1のインストール(1) | ||
4.SP1のインストール(2) | ||
5.SP1適用後のシステム | ||
運用 |
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