第3回 読者調査結果
@IT マーケティングサービス |
Windows 2000/Me発売の余韻も冷めぬ間に発表されたマイクロソフトの次世代プラットフォーム、“Windows XP”。先ごろベータ2が公開され、その全貌が明らかになりつつあるが、ITエキスパート・ユーザーはこの新OSをどのように受けとめているのだろうか? 2001年3月に実施した第3回 Windows Insiderフォーラム読者アンケートから、その状況を見てみよう。
Windows XP:よく知られているが、よく分からないOS
まずWindows XPの認知レベルを見ると、当フォーラム読者だけにその認知率は限りなく100%に近かった(図1)。ただしさすがに「Windows XPの新機能まで理解している」読者は全体の31%であり、約7割は「名前は知っているが、内容はよく分からない」状態である。
図1:Windows XP 認知レベル |
それでは、Windows XPの主要な新機能の中で、読者が魅力を感じているものは何だろうか。3つまでの複数回答で聞いた結果、「16bitカーネルを排したフル32bit環境への移行」および「プログラミング時のDLL地獄を解決するSide-by-Sideコンポーネント共有」の2項目への興味が高い反面、公開画像で強調されている「一新されたデスクトップ画面」への反応は鈍い(図2)。
図2:Windows XPに魅力を感じる新機能(3つまで複数回答可) |
ここでWindows XPの課題について、読者のコメントからいくつかまとめてみよう。
1.既存資産との互換性――32bit化による既存プログラムや周辺機器等との互換性が不安
- フル32bitになることで、システムが不安定なる場面が減ると思う。しかし、現在ユーザーに納めている16bitアプリの32bitへの移行作業が大変
- 既存の開発リソースと環境が流用できるかどうか(互換性が維持されているかどうか)が気になる
2.Windows NT/2000からの移行理由――32bit化のメリットが大きいWindows 9x系ユーザーはともかく、現在のWindows NT/2000 ユーザーにとっては移行メリットが感じられない。
- UIの変更とNTカーネルへの移行がよく言われている感があるが、個人的にはWindows 2000を導入済みで、あまり魅力とは思えない
- Windows NT 4.0ユーザーに対するサポートがどうなるか不安。次から次へと新OSを出荷してもすぐに導入できない。ようやくWindows 2000に移行予定である
3..NETとの関係が不明瞭――先にMicrosoft.NETで語られたビジョンとWindows XPとの間に密接な関係性が認められない。
- .NETプラットフォームに大変興味があるが、XPは.NETにとって重要ではないとの個人的な認識がある
- XPと.NETの関連、特に.NETから見た、現行OS(Windows 2000/Me)+.NETフレームワークとの違いを知りたい
上記2(NT/2000からの移行理由)と3(.NETとの関係)は、ある意味表裏の関係と思われる。「Windows XPこそ.NET時代に必須のOS」と納得することが、アップグレードの動因となるはずだからだ。マイクロソフトは、2000年6月に発表した「マイクロソフト白書」において、ユニバーサル・キャンバス/インフォメーション エージェントなどの概念による「Microsoft.NET ユーザー・エクスペリエンス」を提唱した。ユーザー認識とのギャップを埋めるためには、Windows XPがこれらの概念を具体的な機能で実現することが求められるのではないだろうか?
.NET Enterprise Serversの導入状況
今回の読者アンケートでは、一新されたWindows関連サーバ製品群(.NET Enterprise Servers)の導入状況や今後の導入意向についても聞いたので、その主な結果を紹介しておこう(図3)。各サーバ製品の導入率(「すでに最新バージョンを導入している」、「以前のバージョンを導入しており、バージョンアップを検討している」、「以前のバージョンを導入しているが、バージョンアップの予定はない」)を見ると、「SQL Server 2000」のポイントが高く、「Exchange 2000 Server」がそれに続いている。一方「今後新規で導入を検討している製品」では、SQL Server 2000に次いで、.NET Enterprise ServersのXML機能を担う「BizTalk Server 2000」の検討率が高い点が注目される。
図3:Windows関連サーバ製品導入率/導入希望率 |
.NET Enterprise Servers の中で、「導入事例を知りたい製品」を聞いたのが図4である。上記「新規導入検討率」と同じく、「SQL Server 2000」/「BizTalk Server 2000」を挙げる読者が多い。SQL−BizTalkの組合わせは、XMLベースのB2Bシステム構築の中心要素として、今後の注目度が上がっていくものと思われる。
図4:導入事例を知りたいWindows関連サーバ製品 |
調査概要 | |
調査方法
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Windows Server Insider サイトからリンクした Webアンケート |
調査期間
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2001年3月12日〜4月2日 |
有効回答数
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166件 |
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