独立系eマーケットプレイスは中小企業を活性化する?

2000/11/25
(11/22/00, 4:23 p.m. ET) By Antone Gonsalves, TechWeb News

 「独立系のeマーケットプレイスが小規模な企業を探すツールとして有用だ」というリサーチの結果が発表された。独立系のeマーケットプレイスとは、大企業主導で運営されるものではなく、マーケットメーカーやSIにより構築されたオンライン商取引の場をいう。Meta Group関連の調査会社、IMT Strategiesによれば、300以上の企業を調べた結果、8%がネット上のマーケットプレイスに初期の段階から参加している。また、これらの中小企業では、売上の少なくとも25%がeマーケットプレイスから発生しているという。同社では、2002年にはその比率が50%を上回ると予測している。

 従業員が50人以下の中小企業は、世界に8百万社と言われている。年に40%の割合で増加しているとIMT Strategieのアナリスト、Steve Diorio氏は言う。多くの企業が、売上の95%をオフラインで計上しているのに比べて、中小企業の比率はきわめて高いといえるだろう。

 調査結果は、大企業にとってeマーケットプレイスが、中小企業のデータを集めて、取引相手を見つける場となりはじめたことを示している。“もし中小企業相手にビジネスをするのであれば、これらの企業が何を求めているのかについての詳細は知っておくべきだろう。参加したいと思わせるようなeマーケットプレイスを設立したり、彼らが活用しているeマーケットプレイスを知ることができるからね”とDiorio氏は語る。“大企業はこの市場を探し出す特効薬を探しつづけてきたはずだ”

 グローバル2000に選ばれた企業に関しても調査結果が出ている。これによれば、これらの企業のeマーケットプレイスへの参加率は“きわめて低い”レベルだという。理由は、マージンや顧客情報を管理できなくなるというリスクだけではなく、セールスチャネル間の葛藤もある。例えば、eマーケットプレイスに参加すると長期にわたり関係を築いてきた再販業者から仕事をうばってしまう可能性がある。

 その一方で、中小企業はeマーケットプレイスをどうみているかというと、これまでの大企業優位体制から、顧客を奪うチャンスと捉えている。地域に関係なく販売できるチャネルを得たからだ。“中小企業はリスクなんか気にしていない”とDiorio氏は見る。“得られるものは全部得ようと貪欲だ”

 このほかの調査結果として、eマーケットプレイスで取引される商材としては製品よりもソフトウェア、プロフェッショナルサービスが多いという。製品は物流の問題が絡むからだ。“工場での「売り」と「買い」のプロセスはとても融通が利かない。100%大丈夫だと確認できない限り移行は難しいだろう。それに比べば、従業員を雇ったり、契約するチャネルは完備されつつあると言える”(Diorio氏)

 多くの調査会社が独立系eマーケットプレイスの動向を、「淘汰され一握りの垂直型しか残らない」と予測しているが、同社の調査結果でもその点に違いはない。 来年までに2000から2500のeマーケットプレイスが登場するといわれているが、“現状のほとんどのeマーケットプレイスが流動性に欠ける”とDiorio氏は問題点を指摘している。“サプライヤー(販売側)は豊富でも、買い手(購買側)が買う行為に至っていないのが現状だ――トランザクションが起こっていない。流動性とはこのことを指摘する言葉。十分なトランザクションがない。つまり、利益は出ていないということだ”  

[英文記事]
Net Markets Are Attracting Small Businesses


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