XMLとBtoB、いよいよ導入フェーズへ
〜インフォテリア初のプライベートセミナー「インフォテリア ライブ 2001」
2001/2/2
インフォテリアは2月1日、初のプライベートイベント「インフォテリア ライブ 2001」を都内で開催した。会場ではBtoB、XMLを共通の切り口に、午前中はキーノート、午後はパネルディスカッションを含めて25のセッションが開かれ、訪れた参加者は2500人を上回る大盛況となった。
「2000年で製品・体制ともに充実できた。今年は信頼を得る年にしたい」インフォテリアの平野社長 |
基調講演では同社代表取締役社長の平野洋一郎氏、ドリームインキュベータCEOでボストンコンサルティンググループ最高顧問でもある堀紘一氏、ソニー パーソナルITネットワークカンパニーバイスプレジデントの田谷義宏氏の3人が続けて登場し、スピーチを披露した。3人による基調講演を通してのインフォテリアのメッセージは“BtoBを実際に稼働させよう”――これに集約できる。
「BtoB」という言葉が表す通り、各企業のシステムを接続し、企業間の取引をインターネットを介して行うことにより効率を上げるとするBtoBが叫ばれ始めたのが昨年初め。今年は具体的な実現の段階に入ると予想する声が多い。BtoBでは、システムやソフト、デバイスの差を越えて対話ができるXMLという共通言語が大きな鍵を握る。1998年にXML専業のソフトウェアベンダーとしてスタートした同社は、市場の認知に応じて製品を投入してきた。昨年秋、BtoBサーバ「アステリア」を発表。今年に入り、同シリーズのアプライアンス版「Asteria.Planet」のRosettaNet用を、そしてこの日はAriba用を発表している。
平野社長は「BtoBはブームではない」と、BtoBとそれを実現する技術であるXMLの重要性を強調する。「オフィスにおけるIT革命の第3段階」であり、長期的視野を持って取り組む必要性があるのだという。
「ビジネスとは知恵や工夫の競争」と堀氏 |
平野氏はBtoB参加の時期とメリットについて、「(導入にかかる)コストと(導入による)メリットをどう判断するかの問題」として、普及率と利益創出を軸にとったグラフを用いて分析する。普及率が低い時期に他社に先駆けて導入した企業は、即効性の利益創出は期待できないが、利益の総量は高くなる。一方、普及した後に導入する「負け組」の場合、立ちあがり時に利益が出るものの享受できる期間は短い。
その図式をフォローするように、次に登壇した堀氏は「21世紀のビジネスは“しかけ競争”。先に開始した企業に勝つ可能性がある」と、意識改革を呼びかける。待ちの姿勢をとりがちな日本企業が21世紀型企業になるためには、「攻めの姿勢への変革が必要だ」と堀氏。そしてアンカーのソニーの田谷氏は、同社が実際に取り組んでいる生産材、非生産材の2つのBtoBシステムを紹介した。
IBMは「Asteria.Planet」を搭載したeServer xSeriesを参考出展 |
今回のカンファレンスは、導入というフェーズに入りつつあるタイミングを見込んでの開催となった。現在、BizTalk FrameworkやRosettaNet、ebXMLなどの標準化も着々と進んでおり、だいぶ土壌は整備されつつある。その作業と並行して、各団体は自分たちの標準を担いでもらうよう伝導活動を進めている。
普及が本格化すると導入・実装していない企業は取引に参加できなくなるのがBtoB。火がつくと一気に広まると予想される。「(BtoB本格稼働は)すでに助走期間に入った」という平野社長、創業3年目にして大展開が期待できそうだ。
(編集部 末岡洋子)
[関連リンク]
インフォテリア
インフォテリアの発表記事(「Asteria.Planet
for Ariba」)
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