東芝ら3社、オラクル製ERP導入の新会社設立

2001/4/11

 東芝、アクセンチュア(旧アンダーセンコンサルティング)、日本オラクルの3社は4月10日、新会社を共同で設立することを発表した。新会社の事業内容は、ERPなど企業システムのソリューションの提供で、今年6月にも正式に設立する見通しだ。

握手をする3社の代表 左からアクセンチュアの森氏、東芝の奥原氏、日本オラクルの新宅氏

 「ERPの時代は終わったといわれるが、SCM、CRMの伸びもあり、日本ではまだ需要がある」と新会社設立のイニシアティブをとる東芝の上席常務e-ソリューション社社長奥原弘夫氏は設立の背景を語る。オラクルのERP「Oralce E-Business Suite 11i」の日本初のユーザーでもある東芝では、市場の需要に応じるために、アクセンチュア、オラクルに話を持ちかけたという。

 新会社は、東芝のシステム構築力、アクセンチュアのコンサルティング能力やプロジェクト管理能力、オラクルの製品および技術サポートをあわせて、製造業を中心にERP導入を促進していく。「企業システムは単一化の傾向にある。グローバルに展開している電気・自動車などが当面のターゲット」とアクセンチュア日本代表の森正勝氏。

 東芝では2001年より全社的に社内改革を進めており、SI事業でもソリューション事業の拡大を図ってきた。今回の新会社設立もその一環で、「Win-Winの関係を築く」(奥原氏)という。新会社設立により、オラクルは日本市場における「Oralce E-Business Suite 11i」の販売拡大、東芝はシステムソリューション事業の拡大、アクセンチュアは日本市場におけるオラクル製品利用のシステム構築事業の拡大を見込む。

 大規模ERP導入といった案件の場合、幅広い技術や知識、ノウハウが総合的に必要となる。情報システム業界では人材不足という課題がよく持ちあがるが、今回新会社を設立する3社もそれぞれの分野で人材不足という共通の悩みを抱えているようだ。

 アクセンチュアの森氏は「ERPのマーケットは大きい。だが、技術者不足のためにERP導入ができないといったケースが発生している」と語る。オラクルの代表取締役社長 新宅正明氏も「受注が取れそうでも技術者がいないために見送るケースがある。リソース不足を補う協力関係なら率先して結んでいくつもりだ」と同様のコメントをしている。

 新会社は6月に設立予定で、現時点では名称は未定。出資比率は東芝が3分の2以上を占める見通し。3社の出向社員による100名体制でスタートし、2005年度には300名、売上高220億円規模を目指す。

(編集局 末岡洋子)

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