アプリックス、SSL搭載の組み込みJava提供へ
2001/6/15
アプリックスとRSAセキュリティは6月14日、組み込み向けJava分野のセキュリティ強化に関して業務提携を結んだことを発表した。Java対応の携帯端末に多く用いられているアプリックスの製品がRSAの暗号化技術を組み込んで提供することになり、携帯端末のセキュリティが一歩前進しそうだ。
今回の提携は、アプリックスが同社の組み込み向けJavaプラットフォーム「JBlend」にRSAのSSL機能実装用ツール「BSAFE SSL-C」をオプションとして搭載し販売するというもの。これにより、SSL暗号化通信を使った通信経路の暗号化、オンラインショッピングでの決済機能などで必要とされるサーバ認証/端末認証などの機能を備える開発環境が提供できるという。
「JBlend」は米サン・マイクロシステムズのJava実行環境とリアルタイムOS「ITRON」を融合させたJTRON仕様準拠のOSで、高速性が最大の特徴。同製品は現在、NTTドコモ、J-フォン、KDDIに採用されており、NTTドコモの次世代携帯電話FOMAへの採用も決定している。「BSAFE SSL-C」は通信経路の暗号化、クライアント認証、サーバ認証など安全な通信を行う機能を組み込むことができるツール。
これまで、端末メーカーはプラットフォームと暗号化実装ツールを別々に購入して組み込んでいたが、「JBlend」にセキュリティ機能を搭載して提供することにより、利便性が増し、市場への投入のスピードが上がると予想される。
両社によれば、同製品を用いた製品は今年にも登場すると見込んでおり、今後はワイヤレスPKIも含め、長期にわたり研究開発を共同で行っていく。また、携帯電話以外の用途(情報家電など)での使用も見込むという。
携帯端末の普及と共にワイヤレス通信の安全性強化の必要性が高まる中、「通信のスピードより安全性の方が重要」とアプリックス代表取締役社長の郡山龍氏。同氏は続けて、「業界標準となりつつある「JBlend」と世界のSSLの業界標準のRSAの製品が一体化することにより、一定かつ高度な安全性を提供できる」とし、世界進出も視野に入れて事業を展開していくと述べた。
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