第2四半期に再びつまずくBtoBベンダ

2001/7/31
By Rob Wright, VARBusiness 5:28 PM EST Mon., July 23, 2001

 トップBtoBソフトウェアベンダ2社は、黒字転換を果たしてソフトウェアベンダのスターの座に就く日を指折り数えて待っていた。つい最近の今年1月のことだ。

 先日、2四半期連続で、引き続き厳しい決算報告を発表した米アリバや米コマース ワンにとって、これらの日数は数え切れない長さに思えてきたに違いない。

 下方修正した予想は上回ったものの、アリバは6月30日決算の第3四半期に2億7350万ドルの損失を計上した。大規模なレイオフなどの多額の一時費用を除いた損失は1株あたり10セントと、ウォール街の予想を2セント上回るものだった。同社の売り上げは昨年比わずか6%アップで、同四半期のライセンスによる売上高も落ち込んだ。

 このムードをさらに暗くするかのように、同社CEOラリー・ミュラー(Larry Mueller)氏が同社のトップ幹部職をわずか1四半期務めただけで退陣してしまった。ミュラー氏は今年5月に、アリバ会長のキース・クラッチ(Keith Krach)氏からCEOの職を引き継いだばかりだった。クラッチ氏は現在暫定CEOに就任している。

 アリバのライバルであるコマース ワンは同四半期、前年が4310万ドルだったのに対し、今年は20億6000万ドルと、さらに大きな損害を計上した。一時費用としては、無形資産の減損による現金以外の17億ドルの費用や、株式投資や6200万ドルのリストラ費用などが含まれていた。

 同社の売上高は1億130万ドルで昨年比61%アップだったが、コマース ワン関係者によると、第3四半期の売上高は期待額に達しない見込みだという。コマース ワンは一方で、ドイツのERPベンダで長年の盟友であるSAPから2億2200万ドルもの贈り物を受け取った。この投資により、SAPはコマース ワンの株の約20%を保有することになる。だが、このような投資の流入があるにもかかわらず、同社の関係者は人員の削減を示唆している。

 両ソフトウェア企業のトップ経営陣は、それぞれの失態に関して同じような内容の声明を出している。景気の低迷と、インターネットBtoB市場における公開型eマーケットプレイスからプライベート型eマーケットプレイスへの転換がその要因というものだ。また、両社そろって楽観的な長期的見通しを立てようとしている。

 「私は今も自社にはこれまでにないチャンスがあると信じている。われわれには長期的な成功につながるための強味があると確信している」(クラッチ氏)

 コマース ワンの会長兼CEO、マーク・ホフマン(Mark Hoffman)氏は報道記事の中で、「短期的なプレッシャーはあるものの、われわれが公開およびプライベートの両eマーケットプレイスで描くビジョンに対する自信は揺らがない」と語る。

 多くの業界アナリストは、インターネットBtoBは依然として収益性の高い市場だと信じている。しかし、アリバとコマース ワンがBtoBシステムやe-調達の原動力となるソフトウェアを投入できるかどうかについては疑問を呈している。

[英文記事]
B2B Players Stumble Again in Q2

[関連リンク]
アリバ
コマース ワン

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