20社と提携――アリバ、日本でもサクセスを狙う

2000/11/29

20社の提携は、日本のBtoB業界では最大規模だという(右から2番目が孫正義氏)

 企業間取引の場、eマーケットプレイスのソフトウェアベンダーである日本アリバは11月28日、SI会社やメーカー20社と包括的提携を結んだと発表した。共同で、BtoBマーケットプレイス構築市場での展開を図る。

 日本アリバは10月20日、ソフトバンク、ソフトバンク・イーコマース、米Aribaの共同出資を受けて設立された(10月21日付け「日本アリバ、ソフトバンクの出資を受け本格展開」参照)。出資会社の一社、米Aribaは世界大手のBtoBのマーケットプレイス構築ツールのベンダー。BtoBの調達マーケットプレイスではシェア40%を占めトップだという。

「21世紀型企業をエンパワーする」とMueller氏

 同社が提携関係を結んだ会社は、日本IBM、NEC、日立、日本HPらメーカーと、NTTデータ、日立ソフトなどのSI企業のほか、ドイツ銀行、モルガンスタンレーなどの金融機関も含まれる。これにより、各企業はアリバ社製品のライセンスを取得、共同でマーケティングや販売を行って行くという。この包括的な提携について、同日午後開催されたイベント“The Day of ARIBA”の壇上で、米Aribaの社長兼COO(最高執行責任者)Larry Mueller氏は「日本のBtoBの“ドリームチーム”だ」と述べている。

 「BtoBソリューションを提供し、デファクトを目指す」という同社は、最長でも3ヶ月という導入期間の短さと、平均で28%というコスト削減で差別化を図る。日本アリバの代表取締役社長に就任した渡辺邦昭氏は、日本でのBtoB元年は2001年という。「インターネット技術が成熟し日常のものになった。これからはグローバル化とは関係ないとされてきた分野でも海外企業との競争にさらされる」。

 ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は「アリバは日本にBtoBの波をもたらす」と述べた。孫氏は「明確に“コストダウンができます”、“スピードアップにつながります”と初めて言える技術」と高く評価し、ソフトバング・グループ全体(609社)がユーザーとしても参加する旨を発表した。

 日本アリバでは、「Ariba B2B Commerce Platform」として統合的にソリューションを提供して行く。具体的には、第1フェーズとしての「Ariba Buyer」を用いた関係企業内でのMBO(間接材)調達、e-CRM、第2フェーズとして「Ariba Marketplace」により産業別コミュニティでの融合、さらにはホリゾンタル(水平型)調達ポータルの作成、第3フェーズとしてバイヤー、サプライヤー、他のマーケットプレイス、サービス提供者をつなぐ「Ariba Commerce Services Network」と展開戦略を提示した。

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