IBM DB2が目指すのは情報統合インフラ

2001/9/18

 日本IBMは9月14日、都内で「DB2 Day 2001」を開催した。先日、インフォミックスを買収し、データベース分野でさらに勢いをつけている同社だが、この日、データベース製品である「DB2」を、トランザクションやデータウェアハウス、リッチデータといった、企業が求めるデータ管理のあらゆるニーズに耐える「統合情報インフラ」にする、というビジョンを明らかにした。

急きょ来日となった米IBM アジアパシフィック ソフトウェアグループ バイスプレジデントのアンドリュー・ダットン氏

 米国の連続テロ事件の影響で、来日が中止になった米IBMデータベース技術ディレクタのボブ・ピッチアノ(Bob Picciano)氏に代わり基調講演に登場したのは、アンドリュー・ダットン(Andrew Dutton)IBMアジアパシフィック ソフトウェアグループ バイスプレジデント。

 ダットン氏は、カスタマからの要求として、音楽や画像、映像といったリッチコンテンツのニーズが高まっていると指摘。既存の数値や文字といった定型データとともに、こうしたリッチコンテンツも統合するとともに、トランザクションやBI(ビジネスインテリジェンス)機能、データ管理機能といった、データに対するあらゆるニーズを統合することこそ、IBMのデータベース戦略が向かっている先であるとした。「情報統合インフラこそが、eビジネスをドライブするのだ」(ダットン氏)。

 しかも、インフラであればこそあらゆるハードウェアで稼働し、あらゆるソフトウェアとも協調して動作しなければならない。DB2は引き続き、こうした条件を満たすようにオープンさを求め続けていくという。

 「あらゆるデータを、あらゆる場所で、どんなときでも(DB2でなら扱える)」(ダットン氏)。

 同氏はインフォミックスの買収の理由についても、テクノロジの買収という側面を協調。「われわれはインフォミックスの技術を高く評価していた。アジアパシフィックに限っても、375名の優秀な同社社員を獲得できた」(ダットン氏)。そして、「インフォミックスの顧客をDB2へ無理やり移行させることはない」と、インフォミックス製品も継続して開発が続くと繰り返した。

 その言葉を裏付けるように、基調講演後に行われたテクニカルトラックでは、インフォミックス営業推進 副主管 牧龍夫氏が今後のインフォミックスのロードマップを紹介。2001年第4四半期には、レプリケーション機能や地理情報格納機能などを強化したInformix Dynamic Server 9.3が登場。2002年前半には、RedBrickの新バージョンも登場するという。いずれも、IBMブランドでの最初のインフォミックス製品群となる。

(編集局 新野淳一)

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